2014 Fiscal Year Annual Research Report
分散粒子のハイブリット化による粒界強化タングステンの開発研究
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26889066
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
能登 裕之 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (50733739)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | タングステン / 粒界強化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、当初、再結晶タングステン(W)中に、結晶粒界強化粒子を分散させることにより、W全体を高靭性化できると考えた。先行研究として、東北大学のグループが、W粒界中にチタンカーバイド(TiC)を析出させる手法により、靭性化を図る研究を行っていた。この手法の特徴は、機械的合金化法(MA)による強制固溶後にTiCを粒界に析出させ、粒界の異相界面の整合性を上げるという点である。 本研究では先行研究をもとに、TiCに加え、新たな強化粒子を模索し、分散粒子のハイブリット化により更なる機械的特性の向上を計画していた。WはVIA金属に属し、不純物元素の混入により脆化を示す傾向を持つ。本手法の目的は、TiC添加のように化合物として粒界に配置するのではなく、ジルコニウム(Zr)といった単体の活性金属を固溶させ、W中に含まれる脆化起因の不純物(特に酸素)をゲッタリングすると同時に粒界に析出させ、強化につなげるというものである。 この手法において着眼点となるのが、ゲッタリング効果と分散粒子の選択ある。申請者は本研究に着手するにあたり、上記に近い手法を銅(Cu)基材料に適用し、強化した先行研究に着目していた。その先行研究では、Cuに含まれる余剰酸素をイットリウム(Y)といった活性金属によりゲッタリングする手法が試みられていた。つまりゲッタリングの効果による高強度化・高靭性化はW問わず、Cu材料でも行われていたのである。そこで、分散粒子の選択として、ジルコニウム(Zr),アルミニウム(Al)をゲッタリング金属の候補として銅材料で強化する先行実験を行った。 その結果、Al添加と比較し、Zr添加した材料の方が、MA合金化時間の変化に伴う硬さ上昇の感受性が大きいことがわかった。これはZrのほうが酸化性に富んでいることが起因していると考えられる。このようなZrによるゲッタリングの結果はW基材料の高靭性化にも寄与できると期待できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)