2014 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ三次元光集積回路に向けたa-Si:H多層光伝送デバイスの開発
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26889073
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
渥美 裕樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 研究員 (30738068)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | シリコンフォトニクス / 偏波分離素子 / 三次元光集積回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代LSIチップ上多層光集積回路の実現に向け、本年度は、数値計算を用いた層間偏波分離デバイスの構造設計を行った。これまで平面回路デバイスとして、非対称導波路による方向性結合器構造を用いた偏波分離デバイスが数多く報告されている。しかしプロセス上、両者導波路の膜厚を別々に制御する事が困難であったことから、非対称性を実現するために曲げ導波路やスロット導波路といった特殊な構造を採用する必要があった。本研究では成膜プロセスを用いることで、2層目導波路の膜厚・幅を任意に調整できる点に着目し、従来の直線シリコン細線導波路での多層方向性結合器による非常にシンプルな偏波分離を実現できることを示した。 設計手法としては、有限差分法を用いた断面モード計算、固有モード展開法を用いたモード伝搬計算を行った。非対称方向性結合器を用いた偏波分離では、両導波路のTransverse Electric (TE)モードの実効屈折率を大きく離し、Transverse Magnetic (TM)モードの実効屈折率を一致させることで、前者モードの透過、及び後者モードの導波路間結合が実現される。今回、より小型、広帯域なデバイスの実現を目指し、1層目、2層目の導波路寸法設計を行った。その結果、1層目膜厚220 nm、幅260 nm、2層目膜厚200 nm、幅340 nmの断面構造において、TEモードの実効屈折率差0.3、TMモードの実効屈折率の一致を得た。また、多層交差導波路において層間クロストークが-30 dB以下となる中間層膜厚として600 nmを得た。上記断面構造を用いた偏波分離デバイスについて、1.55 um帯での周波数特性を計算した結果、60 nm以上の波長範囲で偏波クロストーク-20 dB以下となった。 本デバイスは構造のシンプル性、また数十um四方の寸法で形成できる点から実用的であると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイス作製においては、装置環境の準備遅れにより少々遅れ気味ではある。一方、デバイス構造設計に関して、当初の目標以上の進展が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度設計したデバイスの作製、測定評価をすすめる。また、同時に機能応用として液晶を用いたアクティブ素子の開発を行う。
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