2015 Fiscal Year Annual Research Report
可動型のフレームワークを有する多孔性配位錯体の選択吸着機構の解明とモデル化
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26889079
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Research Institution | Research Institute of Innovative Technology for the Earth |
Principal Investigator |
沼口 遼平 公益財団法人地球環境産業技術研究機構, その他部局等, 研究員 (80740018)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | Metal-Organic Frameworks / 多孔性配位高分子 / free energy analysis / 吸着誘起構造転移 / gas separation |
Outline of Annual Research Achievements |
可動型MOFへの混合ガス吸着のシミュレーションを行った。 まず、可動型MOFのシミュレーションのため、レイヤー積層構造を単純な平板とピラーのみでシンプルに表現した構造モデルを作成し、レイヤー間隔を固定した上でGrand canonical Monte Carlo法による混合吸着シミュレーションを行った。吸着分子には、アルゴンの相互作用パラメータを基準値とし、その分子径または相互作用パラメータを適当な係数をかけることで変化させた仮想粒子を用いた。これは、特定の分子の吸着挙動を計算するのではなく、分子径や分子間力などの因子を独立に制御し、これらの因子に対して分子吸着挙動と可動型MOFの構造転移挙動がどのように変化するかを検討するためである。 例えば「転移前のレイヤー間隔>分子A直径>分子B直径」のサイズ順と、分子AおよびBに等価な相互作用パラメータを与えた場合、低圧領域ではレイヤー間隔が狭いために分子AおよびBの両方が吸着しないが、ある圧力を境として自由エネルギーを最小とする構造が転移し、レイヤー間隔が分子Aの直径にほぼ等しく、分子Aのみを選択的に吸着した構造Xが発現した。しかし、さらに圧力を挙げていくとレイヤー間隔がさらに開いた構造Yが最安定となり、分子AおよびBの両方が吸着した。A/Bの分離係数は構造Xでは極めて高かったものの、構造Yでは既存の分離材でも容易に達成可能な値しか得られなかった。このことから、可動型MOFでガス分離を行う際には、優れた性能を示す条件に制約があり、これを適切に選定することが重要なことが確認された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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