2015 Fiscal Year Annual Research Report
古代遺跡出土イネ遺物のゲノム解読:実験系と情報基盤の確立
Project/Area Number |
26890010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
熊谷 真彦 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80738716)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 古ゲノミクス / 栽培イネ / 葉緑体ゲノム / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では古代の遺跡から出土するイネ遺物“炭化米”のゲノム解析を推進するためにその基礎となるデータおよび実験系の確立を目的としている。 【イネ古ゲノミクスのための情報基盤の整備】現生イネ計1375系統の葉緑体全長配列を用いた分子系統解析により詳細な系統関係を得た。その結果、従来示されていた通りjaponica、indicaは基本的に2つの大きなクラスターに別れた。さらに品種群のレベルではtropical japonicaの大部分および aromaticは temperate japonica のメジャーハプロタイプとは異なるハプロタイプを有した。indica はいずれのハプロタイプも共有しており、非常に高い多様性を示した。この結果から葉緑体全長配列でも100%確実な品種群の同定はできないが、各ハプロタイプに占める品種群の割合には大きな差があり確率論的な議論は可能であることが示された。 【イネ遺物試料への次世代シーケンス技術の応用】中世の遺跡出土の炭化米試料のDNAを用いて、遺存体由来DNAを次世代シーケンサーで分析するための手法を試験した。DNA量は非常に微量であるため、狙った特定の領域を増幅する Amplicon-seqを試みた。indica、japonicaのメジャーハプロタイプを分類するサイトを用いてシングルサイトおよび複数サイトで行った。シングルサイトの解析は成功したが、複数サイトの分析はPCRの段階で新規技術であるデジタルPCR装置を用いたものの増幅がみられなかった。シングルサイトのAmplicon-seqの結果、中世の栽培イネの高い多様性を示す結果が得られた。さらにターゲットキャプチャーを用いることとし、イネ葉緑体全長をカバーするベイトを作製した。微量DNAから作製したライブラリを用いた試験を行い、今後の古ゲノミクスへの適用が期待できる結果を得た。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)