2015 Fiscal Year Annual Research Report
Rasによるアクチン細胞骨格の再構成におけるNF-κBの役割
Project/Area Number |
26890024
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
川内 敬子 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 講師 (40434138)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | がん / NF-kB / p53 / アクチン / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞のがん化に伴い、アクチン細胞骨格の構造が大きく変化する。そして、どのようにアクチン細胞骨格が再構成されるかが、がん細胞の性質を決める重要なカギとなる。がん抑制遺伝子p53は、がん遺伝子の活性化に伴い活性化され、がん化やがん悪性化を阻害する機能を有しているが、近年この機能の発現にアクチン細胞骨格の制御が関与することが明らかになっている(Cell Mole Life Sci, 72 pp4077, 2015)。これまでの研究において、p53がβアクチンの切断を促進してがん遺伝子RASでがん化した細胞の浸潤能を抑制すること(J Cell Biol 204 p1191, 2014)、またp53はがん化・がん悪性化を促進するNF-κBの活性を抑制することを示してきた(Nature Cell Biol 10 p611, 2008)。そこで、本研究では活性化型RASで誘導されるβアクチンの切断に対するNF-κBの役割を調べた。 活性化型RASを発現したp53ノックアウトマウス由来胎児線維芽細胞(p53-/-MEFs)では、NF-κBサブユニットp65をノックダウンすることでβアクチンの切断が誘導されることが示された。また、p65のノックダウンは、ミトコンドリア膜電位(Δψ)を低下させ、アクチン切断酵素として機能するHtrA2/Omiの上流のキナーゼp38MAPKの細胞質からミトコンドリアへの移行を促進することが示された。ミトコンドリア局在シグナルを付加したp65を過剰発現させると、βアクチンの切断は抑制されることから、ミトコンドリアに局在するNF-κBは、活性化型RASで誘導されるHtrA2/Omiの活性化を低下させることでβアクチンの切断を阻害していると推測された。以上のことから、NF-κBを阻害することで、アクチン細胞骨格構造を変化させ、がん細胞の浸潤能を抑制できると考えられた。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)