2014 Fiscal Year Annual Research Report
シロアリの社会組織化に関わる遺伝子の同定と機能解析
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26891002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
林 良信 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 研究員 (70626803)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 昆虫 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、まず実験に用いるオオシロアリを採集し、働きアリ(Pseudergate)、兵隊アリ(soldier)、王・女王アリ(primary reproductives)の消化管を除く全身からRNAを抽出した。次に、抽出したRNAから次世代DNAシークエンサーで塩基配列決定を行うためのサンプル作成をし、次世代DNAシークエンサーHiseq2000を用いて各カーストのトランスクリプトームデータを得ることができた。働きアリ、兵隊アリ、王・女王アリの間で発現量に差のある遺伝子(カースト特異的遺伝子)を特定するため、大型計算機をもちいてde novoトランスクリプトームアセンブリング、発現量解析をおこなった。その結果、2705個のカースト特異的遺伝子を特定することができた。また、オオシロアリのトランスクリプトームデータに加えて、ワモンゴキブリ、キゴキブリ、ヤマトシロアリ、ネバダオオシロアリ、ナタールオオキノコシロアリのデータを加えて、シロアリ類がキゴキブリとの共通祖先から進化する過程で、正の自然選択、あるいは純化選択圧の緩和が生じた遺伝子の特定を行った。その結果、4遺伝子で正の自然選択圧が検出され、11遺伝子で純化選択圧の緩和が検出された。正の自然選択圧が検出された遺伝子のうち2つは、カースト特異的遺伝子であった。アミノ酸配列の相同性検索の結果はこれらの2つの遺伝子は細胞分裂に関わる遺伝子であった。今後、この2つの遺伝子やそのほかのカースト特異的遺伝子、自然選択圧の変化があった遺伝子の機能をより詳細に解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究実施計画」の全ての項目(オオシロアリの採集・RNA抽出、次世代DNAシークエンサーによるトランスクリプトームデータの取得、カースト特異的遺伝子の同定、進化速度の計算、社会組織化に重要な遺伝子の特定)を実行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は計画通りに研究を遂行することができたため、次年度も当初の計画通りに研究を進める。
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