2015 Fiscal Year Annual Research Report
膜タンパク質構造におけるフレキシビリティーのNMR解析
Project/Area Number |
26891016
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小澤 潔 大阪大学, たんぱく質研究所, 招へい研究員 (20251770)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | 膜蛋白質 / NMR / ナノディスク / 無細胞蛋白質合成系 / 蛋白質標識 |
Outline of Annual Research Achievements |
pHtrII (1-159) 蛋白質は、高度好塩性古細菌Natronomonas pharaonis 由来の光の変化に応答する光走性シグナル伝達膜蛋白質である。感覚性ロドプシンII とも呼ばれる ppR への光シグナル伝達役として機能し、X-線結晶構造解析により ppR-pHtrII (1-114) 複合体の立体構造が明らかになっており、加えて pHtrII (100-159) までの溶液 NMR による構造も解かれている。しかしながら、pHtrII (1-159) 蛋白質の全長構造は、その不安定さのため明らかになっていない。また、細胞膜の中で、マルチマーとして存在し機能すると考えられているが、その実態は不明な点が多い。そこで私は、この pHtrII の全長を、ナノディスク膜(天然に近い人工リン脂質二重膜)上に再構成することで、まずこの蛋白質を安定化させることを試みた。また、大腸菌の無細胞蛋白質合成系を用いることで、蛋白質を安価に高効率で生産、重水素化することを試み、ナノディスク膜上に 重水素化した15N 標識pHtrII (1-159) を再構成し、さらにその溶液NMR によるシグナルを観測することにも成功した。この結果、界面活性剤存在下での溶液構造と、ナノディスク膜上で非界面活性剤存在下のそれでは、pHtrII の立体構造が大きく違うことが判明した。そこで現在同様な方法で大量調製した、15N, 13C, 2H-標識した pHtrII (1-159) を用い、溶液 NMR による立体構造解析を進めるとともに、比較的失活しやすい試料の長時間のより安定な測定が可能な固体 NMR での立体構造解析も検討中である。今後、pHtrII の細胞膜中でのより詳細な構造変化を調べることで、光走性シグナル伝達における膜蛋白質構造におけるフレキシビリティーの役割を明らかにしたいと考えている。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(2 results)