2014 Fiscal Year Annual Research Report
In planta発現系を用いた定量的SRK-SCR相互作用解析系の構築
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26892004
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山本 雅也 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70732543)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 自家不和合性 / 受容体-リガンド相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは、既にシロイヌナズナ葉肉プロトプラストを用いて一過的に発現したSRKが自己リン酸化能をもつことを見いだしている。そこで、本年度はシロイヌナズナ葉肉プロトプラストから調製したSRKが細胞膜に局在化しているか、検討を行った。結果、シロイヌナズナ葉肉プロトプラストで発現させたSRKは細胞膜へは輸送されておらず、小胞体に留まっていることを明らかにした。一方で、シロイヌナズナ柱頭で発現させたSRKは細胞膜へと輸送されていることを見いだした。このことから、SRK-SCR相互作用を解析するには、シロイヌナズナ葉肉プロトプラストを用いるより、シロイヌナズナ柱頭からプロトプラストを調製する必要があると考えられた。そこで、次年度はSRKを柱頭の乳頭細胞からプロトプラストを調製する方法を検討する。 一方、SCRタンパク質の調製に関しては、現在、B. rapa、B. oleraceaやA. lyrataなどのSCRタンパク質をHisタグ融合タンパク質として、大腸菌で発現した後、調製している。全てのタンパク質は、大腸菌から封入体として回収した後、refoldingを試みた。その後、Niレジンを用いて精製、濃縮を行った。結果、これまで行った全てのSCRタンパク質に関して、可溶性タンパク質として回収できた。さらに、A. lyrataのSCRタンパク質に関しては、SRKを発現する自家不和合性シロイヌナズナを用いて、bioassayを行ったところ、植物体で発現しているSCRよりは活性は弱いが活性のあるタンパク質が得られた。現在、B. rapaやB. oleracea由来のSCRタンパク質に関しても、各種植物体を用いた交配実験により活性の検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SCRタンパク質を大腸菌で発現させ、封入体として回収後、refoldingを試みた。結果、可溶性画分に回収できた。また、シロイヌナズナ葉肉プロトプラストで一過的に発現させたSRKは、細胞膜へ局在しないことを、一方で、柱頭で発現しているSRKは細胞膜に局在していることを明らかにできた。これらの結果は、研究を進めるうえで重要な知見といえる。また、A. lyrataのSCRタンパク質に関しては機能を有するタンパク質が大腸菌から回収できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、まず調製できた全てのSCRタンパク質が機能を有しているか交配実験により検討する。さらに機能を有するSCRタンパク質に関しては、蛍光ラベルやRIラベルしたSCRタンパク質を調製する。並行して柱頭を細胞壁分解酵素で処理し、プロトプラストを調製する。調製したプロトプラストにSCRを加えた後、相互作用の強さを生化学的に解析する予定である。
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Research Products
(6 results)