2014 Fiscal Year Annual Research Report
福島原発事故由来の放射性セシウムをトレーサーとした森林環境中の水・物質動態の解析
Project/Area Number |
26892007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 弘亮 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (90732636)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 福島第一原子力発電所 / 森林環境中 / 水土流出 / 物質循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、福島県伊達郡山木屋地区の森林試験流域を対象として、水および土砂流出に関わる水文素過程の現地観測の準備およびサンプリング等を実施した。具体的には、林内雨、樹幹流、落葉、および土壌水・地下水・渓流水のサンプリング機材を調達し作成した。また、斜面における土壌侵食量をモニタリングするための観測装置を作成した。これらサンプリング機材等の設置、および当初予定していた土壌採取と可搬型Ge半導体ガンマ線検出器を用いたIn-situ測定は早期の積雪により年度内に実施することができなかったが、既存の林内雨、樹幹流、落葉等のサンプラーによる現地試料の採取を実施した。 筑波大学アイソトープ環境動態研究センターにおいて、水試料の放射性同位体分析および酸素・水素安定同位体分析、水質分析のための環境整備を実施した。また、現地で採取した雨水・落葉等試料の放射性同位体分析結果に基づいて、森林樹冠から林床への放射性セシウム移行フラックスを算出した。それにより、原発事故から3年半が経過した後の森林内の放射性セシウム移行状況を定量的に把握することができた。さらに当初の研究計画には含まれていなかったが、栃木県佐野市の森林流域について、原発事故初期(平成23年3月から5月)に採取された懸濁物質の放射性セシウム濃度測定を実施し、その測定データに基づいて事故直後の森林流域からの放射性セシウム流出状況の解析を行った。その成果は、森林流域に沈着した放射性セシウムの初期動態を把握する上で非常に重要である。 本年度の調査内容を含む成果は、国内外の学会において口頭発表およびポスター発表によって公表した。また、平成27年度に開催が予定されている国際学会での成果発表を予定している。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)