2014 Fiscal Year Annual Research Report
光合成産物の分配に応じた植物個体統御分子メカニズムの解明
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26892008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 明希子 東京大学, 農学生命科学研究科, 特任助教 (00718174)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 形態発生学 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の芽は, 養分を蓄えて成長を一時停止させ待機・休眠することによって, よりよい環境下で生長できる時期を見計らっている. 植物体内では光合成により生合成された糖が, 芽などの生長に必要な部分に運ばれ, エネルギー源として供給される. 本研究では, 地下茎をはりめぐらすOryza logistaminataを用いて, 植物個体内における代謝産物の異動に着目したメタボローム解析を行った. まず始めに, 地下茎腋芽と地上茎腋芽を用いて, 網羅的なメタボローム解析を行った. その結果, 同じ茎でも地上部と地下部とでは蓄積する代謝産物に相違があることが示唆され, 地下茎腋芽に特徴的な代謝産物がいくつか見つかった. また, 地下茎は貯蔵器官と言われているように, いくつかの糖類が, 特に地下茎腋芽に特徴的に蓄積していることが明らかになった. 次に、地下茎腋芽の発生ステージに基づいて, メタボローム解析を行うための予備実験を行った. しかしながら, 発生初期の腋芽は非常に小さいために, 腋芽の大きさによってサンプル間の誤差が非常に大きくなってしまうことが明らかになった. そのため, サンプル間の誤差が少なく発生ステージに基づいたサンプリングを行うための条件検討を行った. その結果, 地下茎腋芽の発生ステージ3段階にわけたサンプリングする条件を決定した. 今後は条件検討したサンプリングに基づいて, より詳細なメタボローム解析を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験も含めて, 提案した実験計画通りに進行していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
同じ茎でも地上部と地下部とでは蓄積する代謝産物が異なることが明らかになったので、今後は地下茎を地下茎たらしめている特徴的な代謝産物に着目し, 地下茎の発生過程に応じた詳細なメタボローム解析を行う予定である.
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