2014 Fiscal Year Annual Research Report
脱ユビキチン化酵素BAP1の胆管癌における役割の解明
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26893016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 晶玄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 助教 (90619660)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の計画では、①BAP1をノックダウンした胆管癌細胞株の作成、②胆管癌組織の免疫染色を実施予定としていた。 ①BAP1ノックダウン胆管癌細胞株の作成:当初の予定していたzinc finger nucleaseを用いた遺伝子改変によるBAP1のノックダウンは、予想以上に効率が不良であり、本研究室では未だに樹立されていない。しかしながら共同研究者であるFlorin Selaruの実験室では2つの胆管癌細胞株(HuCCT-1、TFK1)においてzinc finger nucleaseによる片方のアリールのノックダウンに成功しており、同細胞株を使用して、以後の機能解析を行う予定である。また、zinc finger nucleaseによるBAP1のノックダウンが困難であったときの対応として、shRNAによるBAP1ノックダウンを準備しており、現在施行中である。 ②胆管癌標本におけるBAP1の発現解析:胆管癌の手術検体におけるBAP1の発現解析を免疫染色で行った。使用した抗体は、文献的に一番多く用いられているSanta Cruz社の抗BAP1抗体を用いた。免疫染色の条件も文献的によく用いられている方法を使い、現在までのところ、約30症例の免疫染色を終了した。染色性は特に問題なく、また症例によって発現の程度が異なっていることは確認している。臨床データの収集も染色予定の症例はほぼ終了しており、臨床因子との対応は適宜行える状態であり、こちらは非常に順調に推移している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①BAP1のノックダウン細胞株の作成とその機能解析はおおむね順調に推移している。 zinc finger nucleaseによる遺伝子改変によるBAP1ノックダウン細胞株の作成は、その効率が予想以上に低いため、難渋していたが、共同実験者が樹立に成功しており、こちらの細胞株を使用することで、当初より平成27年度に予定して機能解析を行う予定である。また、zinc finger necleaseによるノックダウンが困難であるときに予定していた、shRNAを用いたBAP1ノックダウン細胞株を作成中である。 以上より、研究は順調に推移していると判断している。 ②胆管癌の臨床検体における発現解析と予後との比較は、非常に順調に推移している。 使用したSanta Cruz社の抗体の染色性が良好であり、条件設定が容易であった。現在約30症例の発現解析を完了しており、すでに予後データは収集しているので、予後因子との比較はすぐに始められる状況である。当初は50例の予定で、すでに残り20症例の発現解析に着手しており、予後データもすでに収集済みである。以上より、非常に順調に推移していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究はほぼ予定どおりに進んでおり、当初の予定どおりに研究を遂行するつもりである。 BAP1の機能解析は、zinc finger nucleaseによるBAP1ノックダウン細胞株を用いて行う予定である。現在shRNAによるノックダウン細胞株を作成中であり、こちらが樹立できれば、同様の機能解析をこちらでも行い、2つの方法によるノックダウン細胞株で同様の結果を得ることができれば、仮説の信頼性は更に高まると思われる。 臨床検体による発現解析は順調に経過しており、予定50例のうち残りの約20例の発現解析が終了次第、予後因子との比較を行う予定である。
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