2014 Fiscal Year Annual Research Report
ローズマリーの有効成分に着目した新しい非アルコール性肝炎、肝癌治療法の開発
Project/Area Number |
26893029
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小川 光一 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20733637)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | ローズマリー / 肝星細胞 / 肝特異的PTENノックアウトマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.エタノールで抽出したローズマリーエキス(以下RE)を肝特異的PTENノックアウトマウスに12週齢から20週齢まで経口内服させた。現在脂肪肝の改善と線維化の抑制を検討中である。 2.REによる肝星細胞抑制効果の検討を行った。PTEN KOマウスより採取した初代肝星細胞に1/5000の濃度でREを加えると、活性型の星細胞が有意に減少した。これはREに肝の線維化を抑制する効果があることを示唆する。 3.REの主成分であるロズマリン酸、カルノシン酸、1,8-cineoleをそれぞれ単剤として用いて、ヒト肝癌細胞株Huh7に対する主要増殖抑制効果を検討した。1,8-cineoleのみが有意に増殖抑制効果を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チュニジア産のローズマリーが安定して供給される環境にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
in vivoの実験は結果を解析中であるが、RE投与群では体重が増加しやや肝の脂肪化も進行しているようであり、当初の仮説と異なる結果となっている。アルコール抽出したローズマリーエキスを投与に適したアルコール濃度にするためにエバポレーターで乾固する段階で、有効成分の一つである1.8-cineoleが蒸散してしまった可能性があり、こちらを改善するためにローズマリーの水抽出で再度動物実験を行う方針である。また、星細胞の細胞内シグナルの変化と、Huh7以外の肝癌細胞株に対するロズマリン酸、カルノシン酸、1,8-cineoleの効果を検討していく方針である。
|