2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症、サルコペニアの疼痛(特に腰痛)メカニズム及び治療法の検討に関する研究
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26893034
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 都 千葉大学, 予防医学センター, 助教 (70734242)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 予防医学 / 整形外科 / 骨粗鬆性疼痛 / サルコペニア / 慢性疼痛 / 卵巣摘出マウスモデル / 疼痛行動評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
(研究の目的)①骨折のない骨粗鬆症由来の疼痛(骨粗鬆性疼痛)についての評価・検討 6週齢雌性マウスに卵巣摘出術を施行し、4週経過した骨粗鬆症群、sham手術を施行したマウスをコントロール群とし、両群に疼痛行動評価、免疫組織化学染色を施行し比較検討を行う。Radial pain (von Frey test, Cold Plate test, acetone test, Heat test)、Axial pain (Tail suspension test, Grip Force)、Motor Impairment (Rotarod assay, Open Field test)を反映すると報告されているこれらの疼痛行動評価法を両群に施行、解析の後比較検討を行い、その後免疫化学組織染色でも評価を行なう。 ②骨粗鬆症とサルコペニア、骨粗鬆性疼痛とサルコペニアの関連を明らかにする 骨粗鬆症群とコントロール群における骨密度、筋量、および運動量を評価し、骨粗鬆症とサルコペニアとの相関について評価する。さらに、疼痛行動評価、免疫組織化学染色の結果を統計学的に解析し、骨粗鬆性疼痛とサルコペニアの関連についても検討を行う。 ①について、卵巣摘出マウスを用いた骨粗鬆症群、及びsham手術を施行したコントロール群を疼痛行動評価と免疫組織化学染色で比較検討を行なった結果、骨粗鬆症群ではコントロール群に比し有意な疼痛過敏性を認めた。さらに免疫組織化学染色では、骨粗鬆症群の後根神経節において、炎症性疼痛マーカーであるCGRPの有意な上昇を認めたことより、骨粗鬆症モデルマウスでの骨粗鬆性疼痛の存在を示す結果を得る事ができた。 ②について、骨粗鬆症群とコントロール群の間には、骨密度はもちろんのこと、grip force testで有意差を認め、骨粗鬆症群での筋力低下を示唆する結果を得、サルコペニアとの関連を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の中でH26年度まで行なうべき研究内容の②骨粗鬆症とサルコペニア、骨粗鬆性疼痛とサルコペニアの関連を明らかにするという項目の中の骨粗鬆症群とコントロール群における筋量、および運動量、免疫組織化学染色の結果について評価する部分が現在進行形であり、当初の予定よりやや遅れていると言えるが、研究自体は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究自体は概ね順調であるため、大筋を変える必要はないと思われる。ただしこの研究はマギル大学との共同研究ということもあり、相互の連絡系統をさらに密にし、すばやく行なうことが律速段階となりうると考えられ、今後の推進対策として挙げられる。
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