2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26893053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉崎 歩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40530415)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 全身性強皮症 / B細胞 / 動物モデル / 膠原病 / 免疫 / 自己免疫疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
BLM誘発SScモデルをAIDノックアウトマウスと野生型マウスを用いて作成し、皮膚及び肺の線維化に対する治療効果を評価した。本研究ではAIDノックアウトマウスと野生型C57BL/6マウスを使用した。7-12週齢のマウスを以下の実験に用いた。BLM(日本化薬株式会社)をphosphate-buffer saline (PBS)に1 mg/mlとなるように溶解し、フィルター濾過後、剃毛したそれぞれのマウスの背部皮膚へ4週間にわたり27ゲージの注射針で300 μg(300 μl)を連日皮下投与した。コントロールとしてPBSのみをBLMと同様の方法で投与した。BLMを投与したマウス脾臓からビオチン化したtopo Iを標識として、抗原特異的なB細胞を抽出した。3T3細胞にCD154とB cell activation factorを遺伝子導入し、これをfeeder細胞として抽出した脾臓B細胞をIL-4及びIL-21存在下にて9日間培養することで抗原特異的制御性B細胞を作成した(Yoshizaki A et al, Nature 2012; 491(7423):264-8)。作成された細胞は、BLM誘発SScモデルマウスに対して2x10^6個、尾静脈より養子移入した。BLM誘発SScモデルマウスから背部皮膚と肺を採取し、ヘマトキシリン&エオジン染色とヴァンギーソン染色を行い、皮膚、真皮、皮下脂肪織の厚さを測定した。肺に関しては左中葉のランダムに選ばれた部分を100倍の拡大率で観察し、線維化の程度をAschcroftらの提唱するスコア法(Aschcroft T et al, J Clin Pathol 1988)で評価した。皮膚および肺へ浸潤する好中球の数を1検体中10箇所をランダムに選び測定した。トルイジンブルー染色によって肥満細胞を同定し、その数を好中球と同様に測定した。各解析についてそれぞれ最低10匹のマウスを用いた。現在その結果について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画に記載されている行程をほぼ計画通りに遂行することが出来ている。 具体的には、平成26年度の研究事項としては、BLM誘発SScモデルの作成、 抗原特異的制御性B細胞の作成、抗原特異的制御性B細胞の作成、組織学的評価(皮膚肥厚の測定、肺線維化のスコア化、浸潤好中球・肥満細胞数)などを挙げていたが、ほぼ全てを完了することができ、結果をまとめる状態となっている。 今後も、継続して実験計画を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
BLM誘発SScモデルマウスより得られた皮膚および肺におけるサイトカイン、細胞成長因子のmRNA発現をreal-time PCR法にて定量的に測定する。ELISA法による血清中サイトカイン濃度の検討としてBLM誘発SScモデルマウススの血清を採取し、-80℃のフリーザーに凍結保存する。溶解した血清中の皮膚および肺において測定する予定であるインターフェロンγ、IL-4、IL-6、IL-10、IL-12、IL-13、IL-17、basic fibroblast growth factor、 platelet-derived growth factor, transforming growth factor-βなどについてELISAキット(DuoSet ELISA Development kit, R&D systems)を用いて産生量を検討する。それぞれのサンプルはduplicateで測定し、平均値を解析に使用する。血清中免疫グロブリン濃度の検討として、BLM誘発SScモデルマウスの血清を採取し、Bioscience社製免疫グロブリン測定キットを用いてELISA法にて各アイソタイプの免疫グロブリン量を測定する。それぞれのサンプルはduplicateで測定し、平均値を解析に使用する。自己抗体の検討として、BLM誘発SScモデルマウスから血清を採取し、Medical & Biological Laboratories社製のヒト抗topo I抗体、抗U1 RNP抗体、抗一本鎖DNA抗体、抗ヒストン抗体、抗二本鎖DNA抗体測定ELISAキットを用いて抗体価を測定する。このとき2次抗体として抗マウスIg抗体を使用する。それぞれのサンプルはduplicateで測定し、平均値を解析に使用する。
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[Presentation] Nucleosome, a basic repeating unit of chromatin, in patients with systemic sclerosis: Possible association with immunological abnormalities via anormal activation of T and B cells.2014
Author(s)
Yoshizaki A, Asano Y, Taniguchi T, Saigusa R, Nakamura K, Yamashita T, Takahashi T, Toyama T, Ichimura Y, Tamaki Z, Miyazaki M, Sato S.
Organizer
ACR/ARHP Annual Meeting
Place of Presentation
Boston Convention & Exhibition Center
Year and Date
2014-11-14 – 2014-11-19
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