2014 Fiscal Year Annual Research Report
がん細胞由来分泌型マイクロRNAによる骨転移部の微小環境制御機構の解明
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26893068
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 信吾 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40462220)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 骨転移 / マイクロRNA / がん微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. がん細胞分泌型miRNAの発現プロファイル解析:溶骨型骨転移を高頻度にきたすヒト乳がんおよびヒト多発性骨髄腫の細胞株を大量培養し、培養上清を回収した。続いて、培養上清中に分泌されたエクソソームを超遠心法にて単離し、エクソソームからマイクロRNA(以下miRNA)を抽出した。得られたRNAは、miRNAマイクロアレイを用いてmiRNA発現の網羅的解析を行い、上記のがん細胞株が共通して細胞外へ積極的に分泌する計12種のヒトmiRNAを同定した。
2. 骨代謝に関わる遺伝子を制御するがん細胞由来分泌型miRNAの同定:1.で同定した候補miRNAを骨芽細胞もしくは破骨細胞に過剰発現させ、miRNAがこれらの細胞の分化に与える影響を、アルカリフォスファターゼ法およびTRAP染色法にて検討した。また、骨代謝関連遺伝子への影響をリアルタイムPCR法にて検討した。一連の実験により、骨形成もしくは骨吸収に関わる遺伝子を制御し得る計4種のがん細胞由来分泌型miRNAを同定した。
3. がん細胞由来分泌型miRNAの標的遺伝子の同定:2.で同定された分泌型miRNAの標的遺伝子をweb上のデータベース(TargetScanなど)を用いて探索し、標的遺伝子の候補を絞った。続いて、miRNAを過剰発現させた骨芽細胞もしくは破骨細胞における候補標的遺伝子の発現動向を、リアルタイムPCR法およびウェスタンブロッティング法にて検討した。現在、ルシフェラーゼアッセイ法にて、実際にmiRNAが候補標的遺伝子に結合することを確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は、当初の研究計画通り進行しており、順調といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画は以下の通りである。 1. がん細胞由来分泌型miRNAの標的遺伝子の同定 2. がん細胞由来分泌型miRNAの細胞間伝搬の検証 3. 骨転移モデルマウスを用いたがん細胞由来分泌型miRNAの生理作用の解析
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