2015 Fiscal Year Annual Research Report
成形修復用グラスアイオノマーセメントの表面強化用塗布材の開発と強化機構の解明
Project/Area Number |
26893072
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
塩沢 真穂 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (60735679)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | グラスアイオノマーセメント / ビッカース硬さ / 塩化カルシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
成形修復用グラスアイオノマーセメント(GIC)は,硬化初期の機械的性質が十分でなく,長期耐久性が低いことが臨床で問題となっている.本研究は,成形修復用GICの硬化初期における機械的性質を改善するための表面強化用塗布材の開発と強化機構の解明を目的とし,カルシウム溶液に浸漬したGIC試料表面のビッカース硬さの測定を行った. 浸漬溶液には,塩化カルシウム水溶液および乳酸カルシウム水溶液を用いた.試料は,従来型GICまたはレジン添加型GICをアクリル製の窩洞に充填し硬化させて作製した. 高濃度カルシウム溶液への短時間浸漬がGICの表面硬さに及ぼす影響を評価するため,試料を42.7 wt%塩化カルシウム水溶液または蒸留水に60分間浸漬した後,1週間蒸留水中で保管し,表面硬さの変化を測定した.従来型・レジン添加型GICともに,塩化カルシウム溶液浸漬直後の表面硬さは,蒸留水浸漬試料と比較して有意に大きな値を示した.蒸留水中保管1週間後の表面硬さは,塩化カルシウム溶液浸漬試料と蒸留水浸漬試料で有意な差は認められなかった.以上の結果から,GICの種類に関わらず高濃度塩化カルシウム溶液への浸漬がGICの硬化初期の表面硬さを向上させることが示唆された. 一方,高濃度塩化カルシウム溶液浸漬後の試料表面には,亀裂の発生が認められた.そこで,試料表面を劣化させず機械的性質を改善する効果のある溶液を探索する目的で,5%乳酸カルシウム水溶液に1週間浸漬した試料の表面硬さの測定を行った.溶液浸漬後の試料表面には,目立った亀裂の発生は認められなかった.従来型・レジン添加型GICともに,乳酸カルシウム溶液浸漬1日後の表面硬さは,蒸留水浸漬試料と比較して大きな値を示したものの,有意な差は認められなかった.引き続き,GICの硬化初期における機械的性質の改善に最適な条件の探索を行う予定である.
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)