2014 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を見据えた三次元培養による歯髄細胞分化誘導とそのシグナルネットワーク解析
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26893074
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山本 弥生子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (50732749)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 三次元スフェロイド培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特殊な細胞培養法である「三次元スフェロイド培養法」に着目し、歯髄細胞を三次元スフェロイド培養した場合に象牙芽細胞分化が促進されるメカニズムを解明することを目的としている。 平成26年度は、不死化したマウス歯乳頭細胞を三次元スフェロイド培養専用の培養皿に播種した後、6時間、12時間、24時間経過後に細胞を回収し、RNA抽出を行った。象牙芽細胞・骨芽細胞分化を検討するため、分化マーカーであるDentine sialophosphoprotein (Dspp)、Alkaline phosphatase (Alp)、Bone morphogenetic protein2 (BMP2)の発現を、定量的PCRを用いて調べた。対照群として一般的な平面の培養皿でも培養を行った。その結果、三次元スフェロイド培養した細胞は、6時間後には培養皿中央に細胞の集積を認め、12時間、24時間と時間が経過するほどに細胞の集合体の透明性が低下していることが確認された。分化マーカーの発現は、三次元スフェロイド培養した細胞では12時間後にAlp、BMP2が、24時間後にはDsppの発現が上昇することを認めた。この結果、比較的早期に分化マーカーが上昇することから、三次元スフェロイド培養における象牙芽細胞分化の促進は、細胞が集積することによる細胞間の物理的な圧迫や酸素濃度の低下だけではなく、何らかのシグナルが関与している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は今後の研究のための細胞数、培養期間、解析方法等、パラメーターを検討し、おおむね予備実験が完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度に検討した細胞数、培養期間をもとに、組織学的な解析および動物実験に移行する予定だ。また、結果を国際学会で発表予定としている。
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