2014 Fiscal Year Annual Research Report
MRIアーチファクトを相殺する反磁性被覆材の新規開発
Project/Area Number |
26893078
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
今井 治樹 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (80735837)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2015-03-31
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Keywords | MRI / アーチファクト / 反磁性 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging: MRI)において、生体内金属による磁化率アーチファクトは大きな問題である。とくに口腔内の歯列矯正装置や金属製補綴物によるアーチファクトは脳にまで及び診断に影響を及ぼす。近年、低磁性金属材料の開発が進められるようになったが、歯科臨床への応用にはまだ遠く、当面は既存の金属材料が装着されている患者への対応策を検討する必要がある。 そこで本研究では、口腔内が生体内埋入材料と異なり直接アプローチ可能である点に着目した。常磁性材料と反磁性材料の複合化の概念を応用し、口腔内の金属材料を二次的に反磁性材料で被覆することで、アーチファクトの低減を図る新手法(反磁性被覆材)を提案し、その効果について検証を行った。 まず矯正用メタルブラケットを反磁性被覆材にて被覆した「反磁性被覆材モデル」を作製した。反磁性被覆材として、反磁性を示すグラファイト粉末を歯科用アルジネート印象材に混合したものを考案したが、研究期間を通じて使用する製品やその配合について検討を行い、より強い反磁性の獲得と操作性の向上が得られるよう改良を加えた。 続けて「反磁性被覆材モデル」のMRI撮像を行い、反磁性被覆材によるアーチファクトの低減効果を検証した。アーチファクトの形状・発生方向を観察するとともに、磁場方向における試料中心からの最大到達距離を計測した。さらに三次元画像解析によりアーチファクトの体積を算出し、定量的な評価を行った。 その結果、反磁性被覆材の使用により、アーチファクトの形状・発生方向が中和され、到達距離や体積にも減少が認められた。従って、常時性・反磁性材料の二次的な複合化でもアーチファクトの低減は可能であることが明らかとなった。本研究が完成した際には、簡便なアーチファクト対策として広く普及する可能性があり、今後の展開が大いに期待される。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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