2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26893085
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原田 史子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00397150)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 歯根膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
下歯槽神経再生過程の機能血管の動態を観察することを目的として、本年度は、対照群(下歯槽神経非切断群)とする正常ラットに対しトマトレクチンによる標識を行い、歯根膜および三叉神経節の機能血管について検索を行った。 8週齢の雄性成熟ラットに、機能血管を標識するトマトレクチン(Lycopersicon esculentum Lectin;Vector社)文献Am J physiol renal phisiol. F721-733; 300, 2011) 1.25mg/kg, (1mg/ml) を外頚静脈より静脈内投与し、5分後に4%パラホルムアルデヒドによる灌流固定を行った。下顎骨および三叉神経節を取り出し、一晩浸漬固定を行い、下顎骨はEDTAにより脱灰後、凍結切片を作成した。凍結切片に対して、機能している血管と機能していない毛細血管の有無およびその分布について検索することを目的に、閉鎖端や新生端等の機能していない血管にも発現する内皮細胞のマーカーであるRECA-1の免疫染色を行った。さらに、抗ASIC3抗体および各種神経栄養因子抗BDNF抗体、神経線維のマーカーとしてPGP9.5タンパク、シュワン細胞のマーカーとしてS-100タンパクを用い免疫蛍光多重染色を行い、共存関係を明らかにするため蛍光顕微鏡にて観察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トマトレクチンの静脈内投与を行ったが、歯根膜内の血管内皮細胞への標識が弱いため。
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Strategy for Future Research Activity |
歯根膜神経の再生時における血管内皮細胞および血管周皮細胞の変化と各神経栄養因子の発現様式について検討する。 1.下歯槽神経傷害には、下歯槽神経切断モデルを用い、トマトレクチンにより機能血管を標識し、歯根膜神経再生中の機能血管の動態を多重免疫染色にて検索する。各種内皮細胞のマーカーとしてCD31、RECA-1、また周皮細胞のマーカーとしてα-SMA、Desminを、神経線維およびシュワン細胞のマーカーとしてそれぞれPGP9.5タンパク、S-100タンパクを用いる。また、血管増殖因子VEGFの発現変化について検索する。 2.神経再生中の遊走内皮細胞およびシュワン細胞の動態と神経栄養因子の関連性の検討を行う。各種抗体を用いて、免疫組織化学およびin situ hybridizationを行う。 3.下歯槽神経傷害による三叉神経節における機能血管の検討として、三叉神経節における、血管の変化と神経およびグリア細胞について検討する。 4.下歯槽神経再生中の歯根膜における、内皮細胞様遊走細胞および遊走シュワン細胞のASIC3および神経栄養因子のmRNA量の測定を行う。下歯槽神経損傷後、経日的に試料を採取し、未固定未脱灰切片を作成し、S-100タンパクおよびASIC3の免疫染色に供する。この標本からレーザーマイクロダイセクション装置を用いてS-100タンパク陽性終末シュワン細胞、またASIC3陽性の血管内皮細胞様細胞を採取する。採取した試料からtotal RNAを抽出し、Real time PCR装置にて各種神経栄養因子の発現量の変化を明らかにする。
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