2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26893085
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
原田 史子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (00397150)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 神経再生 / 血管 / シュワン細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯根膜ルフィニ神経終末の再生過程において、終末シュワン細胞が重要な役割を果たすこと、各種神経栄養因子が時期依存的に働くことを明らかにしてきた。一方、末梢神経の軸索変性の急性期には、一時的に血液神経関門が開くことが知られているが、歯根膜ルフィニ神経における、血液神経関門を介した分子の供給機構および調節機構については、全く不明であった。そこで歯根膜ルフィニ神経の再生における血管内皮細胞および血管周皮細胞の動態について検索を行うこととした。 実験動物として、これまでの我々の研究により研究データが蓄積されているラットを用いた。(1) 下歯槽神経非切断群 (対照群) における機能血管の標識。(2)三叉神経節に対する免疫細胞化学。(3) 歯根膜神経の再生時における血管内皮細胞および血管周皮細胞の変化と各神経栄養因子の発現様式について検討。(4)下歯槽神経傷害による三叉神経節における機能血管の検討を行った。 対照群の歯根膜において、樹枝状に分岐した歯根膜ルフィニ神経終末、楕円形の終末シュワン細胞、血管内皮細胞は主に歯根膜の歯槽骨側に限局した。一方、下歯槽神経切断7日後の歯根膜では、ルフィニ神経終末はほぼ消失しているが神経線維のわずかな再生を認めた。歯根膜の歯槽骨側に限局していた血管内皮細胞は、歯根膜の切歯側領域にも出現し、その周囲に紡錘形のシュワン細胞の遊走が見られた。下歯槽神経切断14日後には、ルフィニ神経終末は形態的な再生の過程にあり、血管とシュワン細胞はほぼ対照群と同様の分布を示した。これらのことから、歯根膜ルフィニ神経終末の再生過程において、ルフィニ神経終末の再生に先行して、歯根膜の切歯側へ一過性に血管が誘導され、この血管を足掛かりとしてシュワン細胞が遊走しシュワン細胞索を形成し、ルフィニ神経終末の再生の足場を作る可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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