2015 Fiscal Year Annual Research Report
Lipopolysaccharideによるアレルギー減弱機構の解明
Project/Area Number |
26893089
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水野 夏実 東北大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (40738621)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | lipopolysaccharide / アレルギー / iNOS |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、衛生仮説に基づくアレルギー減弱モデルマウス、すなわち、低濃度リポポリサッカライド (LPS) を 幼少期マウスに前投与 (感染様刺激)することで、後に続く OVA によるアレルギー反応を減弱させるモデルを確立した。本研究は TLR4 シグナルによるアレルギー減弱システムを確立、及び機構解明することを目的とし、アレルギーの根本的治療法開発あるいは、未だ達成されていない予防法開発に寄与したい。 本モデルにおいて、血清中 IgE 抗体量の減少がみられた。そのため、感染様刺激による未感作抗原の所属リンパ節への移行への影響を検討した結果、感染様刺激は抗原の所属リンパ節移行を抑制した。さらに、抗原のリンパ節移行抑制には感染様刺激の条件が重要であった。特に、LPS 投与開始時のマウス週齢は重要であり、幼少期における感染罹患経験が必要であるとする衛生仮説に合致した。その他、LPS 濃度、投与期間についても細かな条件設定がアレルギー反応減弱に寄与することを明らかにした。次に抗原提示細胞機能変化について検討した。その結果、感染様刺激は骨髄由来樹状細胞の NO 合成酵素発現を恒常的に増加させていることを明らかにした。しかし、TNFα の産生及びその他の M1/M2 マクロファージマーカーに変化がないことから 既存のTipDC 並びに M1/M2 バランス制御とは異なる新たなサブセット誘導の可能性を示唆している。また、本モデルにおいては Treg 関連分子の発現が増加傾向にあった。 これまでにも LPS とアレルギーとの関連については多数報告はあるが、アレルギー増悪化の報告も多く、こうした二面性は 免疫制御の実現の妨げとなる。本研究にるアレルギー減弱の詳細な条件確立、およびモデルマウスにおける新たな抗原提示細胞誘導の可能性は、人為的獲得免疫バランス制御による免疫疾患予防寄与が期待できる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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