2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developmental programmed cell death of central auditory system
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26893098
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
波多野 都 金沢大学, 附属病院, 助教 (30557484)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2018-03-31
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Keywords | 先天性難聴 / 発達期 / 内耳毒性 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達期ラットの聴覚発生を抑制することにより先天性難聴モデルを作成した。ヒトにおける先天性難聴児の人工内耳術後の中枢変化を検討するうえで、同モデルは有用である。
まず、ラットの聴覚発生期において、耳毒性のある抗菌薬のアミカシンを高容量連日投与をおこなった後におこる内耳変性について検討をおこなった。内耳変性については内有毛細胞と外有毛細胞の変性消失率およびラセン神経節細胞の単位面積あたりの数について解析をおこなった。有毛細胞の変性消失は蝸牛回転の基底回転で著明であり、頂回転での変性消失は基底回転に比較し軽微であった。ラセン神経細胞についても同様の結果であり、基底回転で著明に細胞数が減少、頂回転では細胞数は比較的保たれていた。蝸牛回転には周波数同調があるが、基底回転つまり高音域での聴覚障害が引き起こされると考えられた。同モデルにおいてヒトの人工内耳手術と同様に、蝸牛に電気刺激をおこない、聴覚中枢の最大の神経核である下丘での誘発電位を測定した。下丘でも蝸牛と同様に周波数同調がみられるが、先天性難聴モデルでは下丘の深部にある高音域での反応低下をみとめた。これは障害の顕著であった蝸牛基底回転の結果と同様の周波数帯と考えられた。
人工内耳手術は一般的に高音域での装用効果が良好とされるが、本研究の結果から高音域の障害が著明な場合は、聴覚中枢においても変化が生じることで、高音域の聞き取りへの影響が考えられる。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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