2015 Fiscal Year Annual Research Report
運動負荷による細胞外ATPを介した変形性関節症発症メカニズムの解明
Project/Area Number |
26893104
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小川 寛恭 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (70464104)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | メカニカルストレス / 変形性関節症 / 関節軟骨 / 軟骨細胞 / 細胞外ATP / P2X7 / MMP13 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】関節不安定性による軟骨への過剰なメカニカルストレスは変形性関節症(OA)の原因の一つである。Matrix metalloproteinase 13 (MMP13)は軟骨変性において中心的役割を果しているため、その発現制御機構の解明は新たな治療法の開発おいて重要である。本研究の目的は、メカニカルストレスが軟骨細胞においてMMP13発現を促進するメカニズムを明らかにすることである。 【方法】マウス初代軟骨細胞を培養しメカニカルストレスとしてfluid flow shear stress(FFSS)を与えMMP13の発現を促進し、この実験系で低分子化合物や遺伝子発現を操作するgenetic toolを使用してMMP13発現を制御するシグナル経路を探索した。関節不安定性OAモデルマウスにおいて細胞実験で同定したMMP13発現の制御シグナル関連分子及び軟骨変性を評価した。 【結果】FFSSは軟骨細胞から細胞外ATPを分泌させ細胞外ATP受容体P2X7を介して活性酸素産生とEGFRシグナルを活性化し、ERKとp38 MAPKのリン酸化、更にこれらよりリン酸化されたJunがMMP13の発現を促進した。野生型マウスとは対照的に、P2X7ノックアウトマウスは軟骨変性に抵抗性を示した。また、細胞実験で示唆されたメカニカルストレスによるMMP13の発現促進及びその関連分子(細胞外ATP、TGFα、活性酸素、MAPK等)に関しても、マウス関節軟骨において同様の変化が確認された。 【考察および結論】メカニカルストレスは細胞外ATP-P2X7受容体-活性酸素経路を介してMMP13の発現制御、さらに軟骨変性に関与していることが示された。OA患者や高齢者の関節軟骨では活性酸素が増加していることが報告されており今回の結果を支持するものである。本研究で明らかとなったMMP13発現シグナル経路に関与する分子はOAの治療標的の候補になりうる。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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