2014 Fiscal Year Annual Research Report
食餌中アミノ酸バランスが食餌制限中の各種臓器に与える影響
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26893116
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
山原 康佑 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (50731915)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 栄養学 / 老化 / アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
C57BL/6Jマウスを購入、12か月齢まで通常食下で育成中である。平成27年度にこれらのマウスに対してアミノ酸バランスを変更した特別食を用い、食事制限中の各種臓器に与える影響について検討する予定としている。臓器別の生理学的検査を計画しており、平成26年度中に各種実験に対する手技や実験条件を確立する方針とした。 神経系の評価として、高架式十字迷路試験により不安や認知機能に関連する行動を検索する予定である。本試験は試験室内の照度や前処置等によって結果が変化することが知られているため、安定的な結果を得られる実験室内の照度や光源の検討を行い条件を確立した。循環器系の評価として、心エコーを用いて心機能を計測する予定である。マウスの心エコーは麻酔下で施行する必要性があるが、麻酔深度に応じて心拍数が変化し、計測誤差が生じることが知られるため、適切な麻酔深度を得られるような麻酔条件を調整した。また、エコープローブの角度により測定誤差が生じることも知られるため、エコープローブの角度など測定方法の条件検討を行い手技を確立した。耐糖能の評価として、腹腔内ブドウ糖投与試験ならびに腹腔内インスリン投与試験を行う予定である。腹腔内への確実な薬剤投与ならびにブドウ糖やインスリンの安定性が重要とされているため、投与するブドウ糖やインスリンを安定化する方法、確実に薬剤を腹腔内に投与する手技を確立した。筋骨格系の評価として、小動物筋力計を用いて上肢握力を測定する予定である。マウス握力計の調整を行い、握力測定法の手技の確立を行った。 上記のように、平成26年度中は平成27年度に向けた手技の安定化や実験条件の標準化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの生育に問題はない。実験機器の調整や手技の確立も進んでおり、次年度の実験開始に向けた準備は整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度より 育成したマウスに対し、アミノ酸を改変した食餌を与える。①8か月齢の若年コントロール群、②24か月齢でコントロール餌を自由摂取させた群、③24か月齢で全ての栄養素を60%に制限した群、④②とアミノ摂取量が同等であるが他の栄養素は60%に制限された群、⑤必須アミノ酸摂取量が②と同等であるが他の栄養素は60%に制限された群、⑥非必須アミノ酸摂取量が②と同等であるが他の栄養素が60%に制限された群、以上6群を用意する。 経過中に行動評価、心臓エコー、耐糖能評価、筋力測定を行い、様々な臓器の生理学的データを採取する。犠死後は解剖学的・生化学的な解析だけでなく、メタボローム解析やcDNA microarrayを用いた網羅的な解析を行う。食餌制限によって得られる細胞保護作用に対し、食餌中アミノ酸バランスが影響を与えるメカニズムを解明する。
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