2014 Fiscal Year Annual Research Report
外来化学療法を受ける大腸がん患者の味覚認知に対する客観的評価を用いた介入
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26893148
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小池 万里子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40737516)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 味覚障害 / 化学療法 / Taste strips / 大腸がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、3か月以上外来化学療法を受けている大腸がん患者の味覚認知への介入に客観的評価を導入し、食事摂取に関係するセルフケア行動と摂取量がどのように変化するのかを明らかにすることを目的としている。平成26年度は、①客観的評価を行うために使用するTaste strips法を確立することと、②外来化学療法を受ける患者の化学療法に伴う味覚障害と食欲不振、セルフケアの現状を文献検討により明らかにすることを計画した。 Taste strips法を使用したことのある医師にTaste strips法の導入や外来化学療法を行う患者への安全性などの意見をもらった結果、Taste strips法が世界各国でも使用されている方法であるため他の研究との比較が可能であること、また、短時間で患者への負担も少ないことなどから、Taste strips法をさらに発展させるのではなく、現状の方法を取り入れることになった。 また、Taste strips法に用いるろ紙の作成を業者へお願いすることを検討し2社の業者と交渉したが、ろ紙作成時の試薬に医薬品が含まれることから大阪府薬務課へ問い合わせをした。その結果、医薬品を用いたろ紙の作成を業者へ依頼する場合には、医薬品医療機器等法の許可が必要となるため依頼が困難となった。Taste stripsを研究室で作成することに対しては問題がないことを大阪府薬務課へ確認し、現在工学部の実験室を借りてTaste stripsの作成を行っている。 文献検討については、Taste strips法の妥当性や実施方法、外来化学療法を受ける患者の化学療法に伴う味覚障害と食欲不振やセルフケアに関する文献検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本では、耳鼻科領域の医師でも近年味覚障害を取り上げる医師が減っており、さらにTaste strips法を用いた検査を行ったことのある医師が少ない。そのため、有識者を探すことに時間を要した。 また、計画書作成当初はTaste strips法に用いるろ紙の作成は業者へ依頼することを検討していたが、業者との交渉が困難であり、さらに大阪府薬務課への確認等に時間を要した。そのため、26年度内にろ紙の作成と妥当性の検討を計画していたがをこれらの交渉に時間を要したため実施が困難となり、27年度へ持ち越すことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、ろ紙の作成を行っている。ろ紙作成後、実験室で作成したろ紙の妥当性を当大学の学生を対象とした調査を行う。その結果をもとに、本大学医学部附属病院の外来化学療法室で治療を受けている大腸がん患者を対象に、味覚認知への介入に客観的評価を導入した調査を実施する予定である。
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