2015 Fiscal Year Annual Research Report
SH3YL1によるトランスサイトーシスの分子機構解明
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26893149
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 光 神戸大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (70737337)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 脂質結合タンパク質 / 細胞死 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
SH3YL1が関与する細胞内小胞輸送の実体を明らかにするため、GFPタグを付加したSH3YL1を用いて、COS-1細胞におけるライブイメージングを行った結果、細胞死の直前に細胞質に分布していたSH3YL1が、膜小胞様のオルガネラに急速に移行する興味深い現象が観察された。そこで、この局在変化の分子機構を解明するために、以下の実験を行った。まず初めに、SH3YL1、⊿SYLF、⊿SH3、SYLF、SH3 - GFP、ミトコンドリアのマーカーとしてミトコンドリア外膜に局在することが知られるMAO(Monoamine Oxidase)- mCherryをCOS-1細胞に共発現させ、タイムラプス観察を行い細胞内のSH3YL1の局在変化を観察した。また、イノシトールリン脂質との結合能の低下がみられるSH3YL1の変異体であるSH3YL1(K14,15A)- GFPも同様に実験を行った。その結果、細胞死の直前、SH3YL1はミトコンドリアに移行することが明らかとなった。さらに、この局在変化はSYLFドメインの脂質結合部位を介していることが分かった。次にミトコンドリアミトコンドリアの主要なリン脂質として知られるカルジオリピンを含むリポソームを作製し、SH3YL1とカルジオリピンとの結合能を調べた。その結果、SH3YL1はカルジオリピンと結合することが明らかとなった。このことより、SH3YL1のミトコンドリアの移行はカルジオリピンを標的にしている可能性が示唆された。最後に、アポトーシスの初期過程として知られるミトコンドリアの膜電位の低下とSH3YL1のミトコンドリアの移行の前後関係を調べた。その結果、SH3YL1がミトコンドリアに移行した後、ミトコンドリアの膜電位の素早い消失が観察された。以上のことより、SH3YL1のミトコンドリア移行は何らかの細胞死メカニズムに関与することが示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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