2014 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工染色体を用いた薬物膜透過に伴う薬物代謝予測可能な新規動態モデル開発
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26893153
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
佐藤 大介 鳥取大学, 染色体工学研究センタ-, プロジェクト研究員 (40734992)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 薬物代謝 / 薬物動態 / 染色体工学 / 遺伝子工学 / 代謝モデル / CYP / 人工染色体 / 代謝酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までにCaco-2細胞へ導入する人工染色体を搭載したCHOドナー細胞の作成に成功した。本ベクターコンストラクトはCAGをプロモーターとして、その下流にCYP遺伝子(CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)または還元酵素(POR)を搭載したものを1ユニットとし、それらユニットを直鎖状に連結した。さらに、各ユニット間にインスレーター配列HS4を搭載し、隣り合う遺伝子発現干渉を防ぐことを可能にした。ドナー細胞におけるその搭載遺伝子局在について検証すると、人工染色体上に1コピー導入されていることが認められた。また遺伝子発現量をreal-time PCRで測定すると、搭載した全ての遺伝子が発現していることを確認した。これらのことから本研究目的を達成可能なドナー細胞が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに、当初の予定通りにCaco-2細胞へ人工染色体を導入するドナー細胞の作製に成功した。当該研究における進捗は、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、以下について行う。 1)遺伝子搭載人工染色体ベクターのCaco-2細胞への移入。CHO細胞から目的遺伝子搭載人工染色体を微小核細胞融合法により、Caco-2細胞に導入し、目的の人工染色体が導入されたクローンをPCR法、FISH法により選別する。 2)人工染色体導入細胞の薬物代謝機能解析。代謝物の生成量は、HPLCもしくはLC-MS/MSにて測定する。CYP1A1/2 (Phenacetin O-deethylation)、CYP2B6 (Bupropion hydroxylation)、CYP2C9 (Dicrofenac 4’-hydroxylation)、CYP2C19 ((S)-Mephenytoin 4’-hydroxylation)、CYP2D6 (Bufuralol 1’-hydroxylation)、CYP3A4/5 (Midazolam 1’-hydroxylation) について解析を行う。 3)人工染色体導入腸管モデルの形態及び機能解析。① 細胞形態学的解析、② 細胞膜透過性の評価、③ 薬物の細胞膜透過性の確認、④ タイトジャンクションのporeの半径及び間隙率の算出、⑤ 透過係数 (Papp値) 及び吸収率 (Fa) の解析 4)初回通過効果予測モデル解析と評価。経口投与後の薬物に対する初回通過効果におけるMDR1/P-gp及びCYP3Aの寄与について、Quinidineをモデル薬物として検討する。また、小腸抽出率がTestosteroneの小腸代謝固有クリアランスと相関するか解析する。
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