2014 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨・骨組織誘導性ハイブリッド生体材料の構築と新規関節軟骨再建法の開発
Project/Area Number |
26893158
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
高畠 清文 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70736537)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ハニカムTCP / 軟骨再生 / BMP-2 / TGF-β |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではハニカムTCPを用いて、軟骨組織および骨組織がシームレスに誘導可能な軟骨・骨組織誘導性ハイブリッド生体材料を構築し、新規関節軟骨組織再建法の開発を目指している。現在までにハニカムTCPの形状を変化させることで硬組織形成微小環境を再現し、骨組織を特異的に誘導することに成功している。 そこで平成26年度は軟骨組織の特異的誘導形成を行うため、ハニカムTCPの孔口径など幾何学的構造の選定、成長因子であるBMP-2の濃度など条件設定を行った。孔口径75~1600μmの異なるハニカムTCPを4週齢のwistar系ラットの大腿部筋中に埋入し3週間後に摘出、組織学的に観察した。最も軟骨組織を誘導した条件は、ハニカムTCP孔口径75μmで125ngのBMP-2を充填した条件であり、HE染色・トルイジンブルー染色により広範な領域にTCP孔内を充填するように軟骨組織の形成を認めた。軟骨組織の形成を認めたハニカムTCP孔内には骨組織形成が認められたハニカムTCPとは異なり血管形成は観察されなかった。さらに軟骨組織誘導に及ぼす各種成長因子の影響について検討するために、一般的に軟骨細胞の誘導に用いられているTGF-βをハニカムTCPに添加し、誘導組織の組織学的検討を行った。ハニカムTCP孔口径500μmで、TCP周囲にわずかに軟骨組織形成が観察されたが、孔内には観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度はハニカムTCPを用いた軟骨組織誘導、軟骨誘導に及ぼす各成長因子の影響、ハニカムTCPの形状が及ぼす影響を明らかにする計画であった。孔口径75μmのハニカムTCPに125ngのBMP-2を添加すると軟骨組織が誘導できることを明らかにした。また一般的に軟骨細胞の誘導に用いられているTGF-βの単独添加では孔口径500μmのハニカムTCP周囲にわずかに軟骨組織形成を確認したが、TCP孔内に軟骨組織誘導はできなかった。このように軟骨組織の誘導、各成長因子の影響、ハニカムTCPの形状に関してのデータが蓄積できたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
軟骨組織誘導に及ぼす各種成長因子の影響について、125ngと低濃度のBMP-2を添加すれば軟骨組織が誘導された。しかしTGF-β単独添加ではハニカムTCP孔内に軟骨組織が誘導されないと確認した。そこで平成27年度はTGF-βにBMP-2等の複合添加の検討を行い、より効率的な軟骨組織誘導に及ぼす影響因子の選定を行う。以上の検討を速やかに行い、効率的な軟骨組織誘導を確認したところで、平成27年度に予定している軟骨誘導分子メカニズムの解明を行う。
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Research Products
(3 results)