2015 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム酵素の新規変異によるミトコンドリア異常を介した神経細胞死の機構
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26893162
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松田 由喜子 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 研究員 (10735301)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ペルオキシソーム / 脊髄小脳変性症 / 脂肪酸代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、エクソーム解析から劣性の脊髄小脳変性症(SCD)において、ペルオキシソームβ酸化酵素(DBP)をコードする遺伝子(HSD17B4)を新規原因遺伝子として同定した。HSD17B4変異がどのような分子機構でSCDを引き起こすのか、明らかにすることが本研究の目的である。 DBP欠損症では、極長鎖脂肪酸(VLCFA)の蓄積がスクリーニングに用いられ、酵素活性の欠失の指標としているが、本家系ではVLCFAの蓄積は認められていなかった。また、患者由来線維芽細胞を用いた予備実験から、ミトコンドリア形態異常を示唆する所見が得られていた。本研究は、ペルオキシソーム機能不全がミトコンドリアなどと関連しながら、最終的に神経細胞変性死に至る新たなSCD発症経路を明らかにし、治療法の開発に貢献することを目指す。 DBP分子はVLCFAのβ酸化以外にコレステロールの合成に関わることが知られている。当該年度において、変異DBP分子がコレステロール合成過程に影響を及ぼしていないか患者由来線維芽細胞を用いて検討した。結果、患者由来線維芽細胞においてコレステロールの蓄積が観察された。さらに、神経変性疾患における変異DBP分子の作用機序を明らかにするため、HSD17B4変異を持つ患者由来線維芽細胞を用いてiPSの作成を試みた。結果複数のiPS株を作成することに成功した。SCDの主症状が小脳プルキンエ細胞の神経細胞死であることから、現在、作成した患者線維芽細胞由来iPS細胞を用いて小脳プルキンエ細胞に分化誘導させている。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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