2014 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌におけるTROYおよびLGR5の予後予測マーカーとしての臨床的有用性
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26893169
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
西岡 光昭 山口大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (70738963)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | TROY / LGR5 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 臨床検体の準備(平成26年9月~平成26年11月末):本研究者が以前に報告した論文「Mol Carcinog. 2013;52:207-17」で用いた臨床検体を再度使用するため、劣化もしくは少量となったcDNA検体を再度作製した。使用可能な対象症例は110例であった。 2. 臨床検体を用いたターゲット遺伝子のmRNA定量測定(平成26年12月~平成27年3月末):準備した臨床検体のcDNAを用いてRspo2, Rspo3, LGR5, TROYの各mRNA発現量を確認した。測定は定量PCR法を用いて発現量を確認し、各種臨床病理学的因子と各遺伝子の発現量との関係についてStatFlex(アーテック社)を用いて統計解析を行い比較検討した。その結果は2015年の夏に開催されるアメリカ臨床化学会のAnnual Meetingで発表予定である。 3. TROY/LGR5過剰発現細胞の作製(平成26年9月~平成27年3月末):TROY遺伝子及びLGR5遺伝子を組み込んだプラスミドを購入後、大腸癌細胞株にプラスミドを導入し、その後過剰発現細胞のクローン単離を行い、安定的な過剰発現細胞株の作製を行った。過剰発現細胞の種類として(1)TROY過剰発現細胞、(2)LGR5過剰発現細胞、(3)TROYとLGR5の両遺伝子の過剰発現細胞を作製しようとしたが(2)(3)の細胞はまだ作成完了できていないためH27年度も作製を続行する。比較するために標的遺伝子を組み込んでいないプラスミドを導入したMock細胞は作製済みである。過剰発現の確認は、細胞のRNA抽出し、定量PCR法より発現量を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
目標としているLGR5過剰発現細胞とLGR5/TROYの両遺伝子の過剰発現細胞の作製が完成していないため少し遅れてはいるが、それ以外の研究はおおむね順調に進んでいる。なるべく早く作製を完了し、次の実験へと進むように努力している。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検体を用いた標的遺伝子のmRNA定量測定で大腸癌と標的遺伝子との関連性が確認された。今後はin vitroによる分子レベルで関連性の裏付けとなるデータを確認し、更にin vivoでマウスの実験からも標的遺伝子と腫瘍形成の関連性を証明していきたい。
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