2014 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤徐放カプセル‐キトサン複合体の骨補填材への応用研究
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26893179
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
内藤 禎人 徳島大学, 大学病院, 助教 (20509773)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 生体材料 / 徐放担体 / 骨再生 / 歯科インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
徐放カプセル-キトサン複合体の最適化、材料設計を初年度の目的とした。乳酸グリコール酸重合体(PLGA)と骨形成促進に有効なシンバスタチン粉末を調製し、徐放カプセルを作製した。PLGAとスタチン粉末をジクロロメタン(DCM)PLGAに溶解した油相(O)を混合し、高速攪拌した外水相(W)のポリビニルアルコール (PVA)溶液に滴下し、高速攪拌してO/W エマルションを得た。固化後、粒子を洗浄後凍結乾燥しスタチン含有マイクロスフェアを得た。その際、内水相量、油相量および高速攪拌の回転数を変え、マイクロスフェアの収率およびシンバスタチンの封入率から、至適処方を探索し、結果、PLGA:シンバスタチン=50:1の重量比で作製したものを用いることとなった。徐放挙動を検討したところ、マイクロサイズの徐放カプセルでは、約1か月間にわたって、緩やかな徐放挙動を示すことを確認した。ナノサイズのカプセルにおいては、最初の1週間でほとんどの薬剤が放出されていた。 in vitro評価では、作製したマイクロ・ナノカプセルの骨芽細胞との反応性を検討した。ALP活性、von Kossa染色を行った。細胞毒性は示さないものの、内包された薬剤が放出される際おこる加水分解による浸透圧やpHの変化によって、いまだポジティブな結果は得られていない。PLGAカプセルの粒径や使用溶媒を再検討する 現在は、来年度のin vivo評価に向けて、キトサンゲルとの最適混合比率や、物性の最適化を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記した通り、初年度の目的である徐放カプセルの最適化はほぼ順調に行えたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、徐放カプセルとキトサン複合体のin vivo評価を行う予定である。in vitro試験で最適封入条件と判断された徐放カプセルを用いて、動物実験を行い、骨再生能を評価する。ラット頭蓋冠に試料を埋植し、マイクロCTによる観察や組織切片での光学顕微鏡による観察を行い、得られた結果と前年に測定した薬剤徐放曲線とから総合的に材料設計の妥当性を評価する。
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