2014 Fiscal Year Annual Research Report
胆道癌における癌ワクチン療法の有効性とサイトカインシグナル抑制分子の役割について
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26893183
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
緒方 久修 九州大学, 大学病院, 医員 (70432945)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 胆道癌 / ペプチド癌ワクチン / シグナル伝達 / 免疫制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
胆道癌に対するカクテルペプチド癌ワクチン療法第Ⅱ相治験は現在進行中である。これらの胆道癌においてはCTLのチェックポイント分子PD-1や免疫関連サイトカイン等を評価する予定である。また胆道癌におけるサイトカイン制御遺伝子(SOCS)や転写因子(NF-kappaB, STAT等)の発現評価に関しての準備を行っている。今後の研究展開としてはこれらの分子に関して主に病理組織・サンプルを用いて評価を行っていく予定である。申請者らはsuppressor of cytokine signaling (SOCS3)の発現を低下させるshRNAの作成を行っており、胆管癌、膵癌、肝癌等の細胞株においてSOCS3の発現が低下した場合の増殖の変化、遺伝子発現の変化についての実験を進めているところである。動物実験については申請者らのこれまでの実験からSOCS3遺伝子にLOXP siteを有するFFSOCS3マウスに3,5-diethoxycarbonyl-1,4-dihydrocollidine(DDC)の投与を行った後、マウスからoval cellの分離を行いCre-LoxP systemを用いてSOCS3遺伝子の発現を低下させると肝細胞癌が発生することが示唆された。マウスへのDDCの投与は肝臓内にoval cell誘導以外に偽胆管増生等を誘導することが知られている。DDCにより誘導されたoval cellにおけるサイトカインシグナルの役割りやoval cellからの発癌への関与などについて現在検討を加えているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は実験計画の申請、倫理審査申請などのため、当初の予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の解析に関して、治験に関与して得られる臨床検体だけではサンプル数が少ないことが予想されるため、他科との共同研究をおこない他科からの協力が得られた場合、サンプル数を増やして解析を行っていく。
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