2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26893194
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久本 由香里 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (40729026)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 骨破壊 / RBP4 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の成果より、マウス骨髄由来培養破骨細胞にRetinol binding protein 4 (RBP4)の受容体であるStimulated by retinoic acid gene 6(STRA6)が発現するが、培養日数の経過に伴いその発現量が増加することが判明した。また、培養破骨細胞へのRetinolおよびRBP4曝露はRANKL単独刺激と比較して濃度依存的にTRAP陽性多核細胞数を著明に減少させた。そこで本年度はRBP4による破骨細胞抑制メカニズムの詳細な検討を行った。 初めに、RANKLと同時にRetinolまたはRBP4を24時間曝露した培養破骨細胞からタンパク質を回収し、破骨細胞分化に必須の転写因子の発現を検討した。その結果、Retinolを曝露した細胞ではそれらの発現に変化が認められなかったのに対し、RBP4を曝露した細胞ではc-FosとNFATc1の発現に減少傾向が認められた。この細胞において、STRA6下流のJAK/STAT経路に対するRANKLおよびRBP4の影響を検討した結果、RANKL単独、RetinolまたはRBP4同時曝露すべての細胞でJAK2、STAT3、STAT5のリン酸化の亢進は観察されなかった。次に、Starvationを行った培養破骨細胞にRBP4を短時間(0、5、15、30分)曝露し、JAK/STAT経路への影響を検討した。その結果、この実験においてもJAK2、STAT3、STAT5の活性に変化は認められなかった。 以上の結果より、RBP4はSTRA6を介したシグナルにより破骨細胞分化を制御するが、それはJAK/STAT経路ではなく別の経路を介している可能性が示唆された。また、STRA6以外の受容体(RBP4 receptor-2または未知のもの)を介したシグナル経路が存在する可能性も十分に考えられる。この結果は、RBP4が破骨細胞分化制御に関与する可能性を示した初めての知見であるが、その詳細なメカニズム解明にはさらなる検討が必要である。また、in vivoによる解析も今後必要である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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