2014 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロギャップの位置と荷重負荷量の違いがインプラント周囲骨の動態に及ぼす影響
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26893195
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 達哉 九州大学, 大学病院, その他 (70736694)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 歯科インプラント / 3次元有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラントの失敗の原因の一つとして,過大な応力負荷によるインプラント周囲骨の吸収が知られている.この現象は, 「骨にはメカニカルストレスを感知して骨量を調節し,骨強度との平衡状態を保つ生理的フィードバック機構がある」というFrostのMechanostat theoryにより説明されているが,これは主にメカニカルストレスによる骨添加に関する理論であり,骨吸収については十分には説明できていない.この点を踏まえ,本研究ではオッセオインテグレーション獲得後のインプラント周囲骨への荷重量の相違が,骨の補償的な増量あるいは骨吸収という異なった結果をもたらすという仮説のもと,ラビット脛骨を用いた3DFEMによる骨内ひずみのシミュレーションを行い,負荷された荷重の多寡による骨内での応力分布の相違を評価した. 26年度では,ラビット脛骨のCTのDICOMデータを元に骨内の骨梁などの微細な骨形態を再現した3次元有限要素モデルを作成した. そのモデルに対し、市販のインプラント体と同じ形状のインプラントCADデータを作成、埋入し20N,40N,60N負荷時の骨内応力の分布,最大応力値および最大ひずみを解析した.その結果,すべての群において応力はインプラント体ネック部付近の皮質骨に集中しており,最大応力値,最大ひずみは20N負荷で93MPa,2600με,40N負荷で186MPa,5300με,60N負荷で280MPa,8000μεであった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、骨のCTのデータから3次元有限要素モデルを作成することができ、また、インプラントモデルとの埋入、その他技術的な面もクリアし、本実験の最終目標であった骨内部に発生する応力の分布を知ることが出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度には3次元有限要素法と同じ条件で実際に模型、動物等で実験を行い、生物学的観点から応力に対する骨反応を見ることとしている。
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