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2014 Fiscal Year Annual Research Report

組織アンジオテンシンII生成におけるビッグアンジオテンシン-25の役割の解明

Research Project

Project/Area Number 26893209
Research InstitutionUniversity of Miyazaki

Principal Investigator

永田 さやか  宮崎大学, 医学部, 特任助教 (00452920)

Project Period (FY) 2014-08-29 – 2016-03-31
Keywordsビッグアンジオテンシン-25 / レニン・アンジオテンシン系 / 生理活性ペプチド / バイオマーカー / 循環器疾患 / 腎臓疾患
Outline of Annual Research Achievements

レニン・アンジオテンシン系(RA系)は、循環器・腎臓疾患の発症や進展において重要な役割を果たしている。しかしながら、組織中のアンジオテンシンII(Ang II)生成機構に関しては未だに不明な点が多い。ビッグアンジオテンシン-25(Bang-25)は2013年に研究代表者らが発見したヒト尿中に存在する主要なアンジオテンシン関連ペプチドであり、組織Ang II 生成機構に関与している可能性が高いと考えられる。そこで本研究の目的は(1)Bang-25の測定系を確立し、(2)Bang-25の組織内の分布と病態生理学的意義の解明および(3)Bang-25の生成機構を解明する事で組織Ang II生成におけるBang-25の役割を解明し、将来的な循環器・腎臓疾患における診断薬・治療薬の開発を目指す事を目的として行った。
Bang-25の測定法の確立にはパーキンエルマー社のAmplified Luminescent Proximity Homogeneous Assay(Alpha)LISA法を利用した。その際にAng IIのN末端に特異的な抗体とBang-25のC末端に特異的な抗体を用いた。その結果N末端抗体をビオチン化し、C末端抗体をAlpla LISAアクセプタビーズに結合させる組み合わせがより高感度である事が明らかとなった。その後、アッセイバッファーの選択とビオチン化抗体の濃度を決定する事でBang-25のAlpha LISA法を確立する事ができた。
またこの測定系を用いてヒトの尿・血液・組織中のBang-25濃度を測定した結果、尿中のBang-25が血中よりも数十倍多い事が明らかとなった。さらに腎臓疾患患者を含むおよそ200検体のヒト尿中Bang-25を測定した結果、糸球体濾過量(eGFR)と負の相関が見られたが、尿タンパクとは相関していなかった。つまり、尿中Bang-25は腎疾患における腎障害の程度を反映していると考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Bang-25の測定系についてラジオイムノアッセイやELISA法を試したがAlpha LISA法がより簡便で高感度であることがわかった。また確立したBang-25のAlpha LISA法はAng IのようなBang-25よりも短いアンジオテンシン関連ペプチドのみでなく、アンジオテンシノーゲン(Aogen)といったBang-25よりも長いアンジオテンシンタンパクを認識しなかった。つまりBang-25に特異的な測定系を確立する事ができた。そのため研究目的(1)のBang-25の測定系の確立を達成できた。また、腎臓疾患患者を含めた尿検体のBang-25を測定した事で尿中Bang-25が腎障害におけるバイオマーカーになりうる可能性が示唆された。また、現在、腎生検の腎臓組織や心疾患、オペ前後の尿・血液を採集している。
以上より本研究はおおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

研究目的(2)Bang-25の組織内の分布と病態生理学的意義の解明および(3)Bang-25の生成機構の解明を達成するために以下に示すように研究をすすめていく。
1.腎生検や剖検、手術時に得られたヒト検体を用いてBang-25に特異的な抗体を用いて免疫組織染色を行いBang-25の組織内分布を明確にする。2.Bang-25の測定系を用いて循環器・腎臓疾患(高血圧、動脈硬化、心不全、心筋梗塞、腎不全など)の患者の尿中・血中の関連ペプチド濃度を測定して健常人と比較し、疾患重症度を含む臨床パラメータとの関連性を明らかにする。また治療に伴う病態変化と尿中濃度の変化を観察して、治療効果判定のための測定意義を考察する。3.AogenからどのようにBang-25やproang-12のようなアンジオテンシン関連ペプチドが生成されるのかについてAogenにどのような酵素が作用するのかを解明する。そのためAogenの糖鎖構造をHPLCを利用した3Dマッピング法により決定し、その違いによってレニンの結合性が変化するか、また作用する酵素に違いがあるのかを明らかにする。さらにAogenに様々なプロテアーゼを作用させて、どのような酵素によってBang-25が生成されるかを明確にする。4.種々の循環器や腎臓疾患(高血圧、動脈硬化、心不全、心筋梗塞、腎不全等)のモデル動物やヒトの培養細胞、血液を用いて複数のプロテアーゼ阻害剤やRA系阻害剤のBang-25やRA系関連ペプチドにおける生成・変換活性に及ぼす影響を観察し、生成・変換酵素に特異的なプロテアーゼ阻害剤を検索する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 3 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Angiotensin-(1-12): A Chymase-Mediated Cellular Angiotensin II Substrate.2014

    • Author(s)
      Ahmad S, Varagic J, Groban L, Dell'italia LJ, Nagata S, Kon ND, Ferrario CM
    • Journal Title

      Curr Hypertens Rep

      Volume: 16 (5) Pages: 429-436

    • DOI

      10.1007/s11906-014-0429-9.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] ACE2: Angiotensin II/Angiotensin-(1-7) Balance in Cardiac and Renal Injury.2014

    • Author(s)
      Varagic J, Ahmad S, Nagata S, Ferrario CM
    • Journal Title

      Curr Hypertens Rep

      Volume: 16 (3) Pages: 420-428

    • DOI

      10.1007/s11906-014-0420-5.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] An evolving story of angiotensin-II-forming pathways in rodents and humans.2014

    • Author(s)
      Ferrario CM, Ahmad S, Nagata S, Simington SW, Varagic J, Kon N, Dell'italia LJ
    • Journal Title

      Clin Sci

      Volume: 126 (7) Pages: 461-469

    • DOI

      10.1042/CS20130400.

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] アンジオテンシノーゲンの14番目アミノ酸に結合するN型糖鎖の構造解析.2014

    • Author(s)
      永田さやか、北村和雄
    • Organizer
      第37回日本高血圧学会総会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      2014-10-17 – 2014-10-19
  • [Presentation] Big angiotensin-25: a novel glycosylated angiotensin-related peptide isolated from human urine.2014

    • Author(s)
      Sayaka Nagata, Kazuo Kitamura
    • Organizer
      The Conference on Bioactive Peptides for Cell-Cell Communication 2014
    • Place of Presentation
      京都
    • Year and Date
      2014-09-10 – 2014-09-12

URL: 

Published: 2016-06-01  

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