2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝学的手法による肺炎球菌の血清型および薬剤耐性の分子疫学的解析
Project/Area Number |
26893212
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
川口谷 充代 札幌医科大学, 医学部, 助教 (70733062)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | 肺炎球菌 / 分子疫学 / ワクチン / 血清型 / 薬剤耐性 / 予防医学 / サーベイランス / ペニシリン |
Outline of Annual Research Achievements |
PCV7およびPCV13定期接種期間に北海道各地の医療機関の外来患者から分離収集された非侵襲性肺炎球菌2057株に、以前解析したPCV7任意接種期間の分離株1061株を加えた3118株を対象とし、莢膜血清型とマクロライド耐性遺伝子[erm(B)/mef(A/E)]の推移を小児・成人由来別に評価し報告を行った(kawaguchiya et al., New Microbe. and New Infect.2015)。小児由来株においては、PCV7含有血清型の有意な減少に伴い、PCV13非含有血清型が39.7%から75.1% へと増加し、成人由来株においても、PCV7含有血清型が34.9%から20.7%に減少した。PCV13に移行後は、19A,6C,15A,23Aが全体の52.5%を占めていた。成人においては一貫して血清型3が優勢であった。PCV13定期接種期間の全960株中、75.1%にerm(B)遺伝子が、31.6%にmef(A/E)遺伝子が検出され、19Aの76.9%が両方の遺伝子を有し、PCV13非含有血清型15A,15C,23Aの>99% がerm(B) 遺伝子を保有していた。 さらに、小児由来肺炎球菌非PCV13血清型231株(2014年7-11月)を研究対象とし、全株に対して18種の薬剤感受性試験を行った。同定された主要な血清型は6C,15A,23A,35Bで全体の55.9%を占め、全株の93.9% がerythromycinに、91.3%がtetracyclineに耐性を示し、42.0%が多剤耐性(ペニシリン非感受性+2種類以上の系統の異なる薬剤に対して耐性)であった。ペニシリン非感受性株(PRSPまたはPISP)は、血清型15A(100%),23A(96.9%),6C(41%),35B(33.3%)に多く、15Aの21.6%がPRSP、8-10種の薬剤に耐性を示し、それらはシークエンスタイプ(ST)63に属していた。また血清型35BはST558、23AはST338、6CはST242、ST5832等に属していた。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)