2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳血流量を効果指標とした温度を活用した看護技術の開発
Project/Area Number |
26893217
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
前田 耕助 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (40736899)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳血管障害や認知症の患者の寝たきりや傾眠、昼夜逆転を予防、改善できる看護技術の開発を目指し、脳活動指標である脳血流量を用いた実験的研究に取り組んでいる。本研究では、研究協力に同意を得られた健康成人を対象に日常生活に存在し、温熱生理学上安全とされる範囲の温度刺激そのものと温度によって生じる感覚(快適感覚)が脳の活動に及ぼす影響を明らかにし、より脳の活動を促すことができる温度を活用した看護技術の開発を目指す。 平成26年度は研究に関連する文献検討を実施し、研究計画の再検討および細かな修正を行った。具体的な検討内容としては、刺激温度の選定や温度刺激を加える時間の検討、予定対象者数の選定方法の修正等を行った。また、本研究では温度刺激部位の面積の違いによる脳血流動態の比較検討を目的とすることとした。その他、脳の活動に関連する学会に参加し、データ収集方法や分析段階でのデータの取り扱いについての情報収集を実施した。 本研究の評価指標である脳血流動態のデータ収集に使用する頭部近赤外光計測装置、および実験に必要な周辺機器、物品の調達は終え、使用可能な環境としている。 現在は、研究を実施するための倫理審査を実施している段階である。それが承認され次第、作成した被験者への実験説明書や同意書をもとに、研究に協力できる被験者を募り、データ収集を実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付当初よりスケジュールに沿って文献検討や関連学会に参加し、研究計画の予定通り進めていた。しかし、本研究の効果指標である脳血流動態を測定できる頭部近赤外光計測装置の入手に時間を要した。また装置入手後に再度細かな研究計画の検討事項や内容を一部修正するなどの作業が必要となり、それに時間を要した。そのため、当初平成27年3月頃には被験者を募りデータの収集を開始している予定であったが、それに着手することができなかった。やや遅れてはいるが、実験環境等の作成はすでに終え、実験を開始できる状況としているため、今後倫理審査の承認を得て、実験に取り組んで行く。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はデータ収集およびその分析、論文投稿、学会発表を実施する。 データ収集(平成27年4月~9月):前年度修正した研究計画に則り、研究協力の同意を得られた対象者に実験を実施する。実験は倫理審査の承認を得てから実施する。対象者数は実験への拘束時間が長く対象者の負担が増大し、途中で実験を終了する可能性があるため、実験と同時に分析をすすめ、分析結果をもとに流動的に変更する。 分析(平成27年10月):収集したデータを分析する。具体的には、温度刺激部位の面積の違いから温刺激、冷刺激そのものおよびその温度刺激によって生じる感覚による脳血流動態の変化を明らかにし、より脳の活動を促すことができる温度部位や温度刺激の活用方法を検討する。 論文投稿、学会発表(平成27年11月~平成28年3月):分析したデータから得られた新たな知見を関連分野の学会への論文投稿、学会発表に向けた準備をすすめる。
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