2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳血流量を効果指標とした温度を活用した看護技術の開発
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26893217
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
前田 耕助 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (40736899)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 看護技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の活動を促す新たな看護技術の開発を目指し、日常に存在する温度(16℃、42℃)による背部への刺激が左前頭前野の脳の活動に及ぼす影響を、頭部近赤外分光計測装置を用い、脳血流動態の変化から検証した。 健康成人男性を対象に背部に16℃と42℃の温度を、それぞれ当てる範囲を大(30cm×30cm)、中(30cm×15cm)、小(15cm×15cm)とした計6回(当てる順序は無作為)当てた。温度刺激時間は3分間とし、刺激前後の安静3分間を含めた計9分間の脳血流動態を測定した。実験時期は夏季であった。 結果、温度を当てる範囲に関わらず、16℃の温度刺激は42℃の温度刺激より刺激開始30秒、60秒で、有意に脳血流動態に変化を促すことが明らかとなった。刺激90秒から刺激後の安静3分間までの16℃と42℃の脳血流動態の変化は同等であった。これらより16℃の背部への温度刺激は、鎮静やリラクセーション目的ではなく、一時的に脳の活動を促す目的では、夏季においては有効であることが考えられた。加えて、脳血流動態の変化が小さかった42℃の温度刺激は、脳血流動態の指標からも鎮静やリラクセーションの効果を得られることが考えられた。また、各温度の当てる範囲による脳血流動態に変化はなく、例え当てる範囲が小さくても、範囲が大きい刺激と同等の効果が得られることが示唆された。 これらより本研究の結果は、今まで用いられる機会の少なかった冷たい温度を意図的に看護援助に取り入れていくことの有用性およびその可能性の基礎的な知見と成り得ることが示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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