2014 Fiscal Year Annual Research Report
肥満者における皮膚障害の予防に向けた非侵襲的アセスメント技術の確立
Project/Area Number |
26893219
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
伊吹 愛 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60738805)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | 肥満 / 皮膚 / 非侵襲的 / アセスメント / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、自家組織を用いた乳房再建術を受ける20-65歳未満の成人女性患者で、BMI25未満の非肥満群33名、BMI25以上の肥満群9名(BMI30以上1名)の皮膚および皮下脂肪組織を採取し解析を行った。組織学的解析の結果、表皮有棘層の肥厚およびMib-1陽性細胞の増加、真皮の菲薄化および真皮表層部の炎症、汗腺の脂肪層への埋没、血管周囲への炎症性細胞の浸潤、皮下脂肪細胞の肥大および脂肪細胞周囲の炎症性細胞の増加が明らかとなった。mRNA発現解析では、表皮保湿因子であるフィラグリンの発現が非肥満群と比較して肥満群で低下傾向にあることが認められた、肥満群において表皮バリア機能が低下している可能性が示唆された。蛋白質発現解析の結果、非肥満群と比較して肥満群でヒスタミン値が上昇傾向であることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
①形成外科との共同研究であるため、サンプルの円滑な受け渡し環境の整備に時間を要した。②予定よりも肥満群に該当する患者の数が少なく、設定したサンプルサイズの確保が難しかった。③皮膚組織の解析と比較して、皮下脂肪組織の解析条件の検討に時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
①定期的に形成外科との研究ミーティングを実施し、サンプルの受け渡し等に関わる研究環境の整備に勤める。②非肥満、肥満の2群ではなく、BMIの増加を連続値として評価する解析を追加する。③脂肪解析等の実験に長けている研究者の協力を仰ぎ、適切な解析条件を設定を早急に進める。
|