2014 Fiscal Year Annual Research Report
モデルショウジョウバエを用いたALS病態機序の解明と新規治療法への応用
Project/Area Number |
26893227
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
東 裕美子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00453093)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ショウジョウバエ / 遺伝学 / 神経変性疾患 / 遺伝子 / FUS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のショウジョウバエモデルを用いて、家族性ALSの原因遺伝子Fused in sarcoma (FUS)あるいはTAR DNA-binding protein43 (TDP-43)と相互作用する遺伝子を探索し、ALSの原因遺伝子および関連分子の相互作用を解明と治療標的分子の探索とを可能にする研究基盤を確立し, 臨床応用への展開を目指すことである。 今年度は、 1)我々が既に作製・報告しているFUSのショウジョウバエホモログであるCazのノックダウンモデルを用いて、様々な関連候補遺伝子の変異型あるいは過剰発現型ショウジョウバエとを交配し、次世代の表現型を評価することにより遺伝学的スクリーニングを行った。その結果、Cazのノックダウンが誘導する神経変性の関連候補遺伝子を複数同定しつつある。 2)TDP-43のショウジョウバエホモログであるTBPHのノックダウンが誘導する複眼及び神経における表現型を解析した。神経特異的に発現させたときの表現型は、運動能力、寿命、神経筋接合部におけるニューロンを観察している。 3)Cazのノックダウンが引き起こす複眼変性のメカニズムについては、Cazは個眼の構成細胞である錐細胞(cone cell)の分化に関与するECFR経路を負に制御しており、Cazノックダウンによってcone cellの分化誘導が抑制され、成虫複眼の形態異常が起こることを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画であるFUSのショウジョウバエホモログであるCazと相互作用する候補遺伝子が同定されつつある。またTDP-43のショウジョウバエホモログであるTBPHのノックダウンによる表現型が解析できており、今後相互作用の解析に向けて準備が整っている。以上のことから、全体的に当初の研究計画がおおむね順調に進展していると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
ショウジョウバエモデルを用いて、FUS及びTDP-43のノックダウンによる神経変性と、解析する候補遺伝子との神経変性の変化についてさらに解析し、相互作用する遺伝子群を同定する。 相互作用する候補遺伝子群の分子メカニズムを解明することによって、新たな治療法の開発につながることが期待される。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Genetic link between Cabeza, a Drosophila homologue of Fused in Sarcoma (FUS), and the EGFR signaling pathway.2014
Author(s)
Shimamura M.,Kyotani A., Azuma Y., Yoshida H., Binh Nguyen T., Mizuta I., Yoshida T., Mizuno T., Nakagawa M., Tokuda T., Yamaguchi M.
-
Journal Title
Exp Cell Res
Volume: 326
Pages: 36-45
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-