2015 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体ストレス応答によるNKG2Dリガンド発現機構と腸炎への関与の解明
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26893231
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
細見 周平 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (60554938)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 腸管免疫 / 小胞体ストレス / NKG2D |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の実験結果で、ヒト大腸上皮細胞株においてERストレスがULBP1 ・5・6の発現を誘導するという結果が得られた。この現象が大腸上皮特異的反応なのか、他の細胞株においても同様の反応が起こりうるのかの確認の為に、食道、胃、肝臓癌細胞株、及びT細胞系細胞株やB細胞系細胞株で評価を行った。その結果、胃がん細胞株においておも、ULBP5とULBP6の発現がERストレス下で亢進することが明らかとなった。また肝細胞癌細胞株、B細胞系・T細胞系細胞株のいずれにおいてもULBP1・ULBP2・ULBP5の発現が亢進した。このことは、ERストレスによるNKG2Dリガンド、特にULBPの発現誘導はuniversalな現象であることが明らかとなった。 前年度の実験結果で、マウス細胞においてCHOPがNKG2DリガンドであるMULT1発現に重要な核内転写因子であるという結果を得られた。同様のメカニズムがヒト細胞におけるULBP発現にもあてはまることが予測されたため、CHOPノックダウン下でのERストレス刺激実験を行ったが、CHOPを介した発現メカニズムを裏付ける結果は得られなかった。 ULBP5発現については、潰瘍性大腸炎の粘膜PCRでmRNA発現が優位に亢進している結果が得られた。しかしながら免疫染色では裏付ける結果が得られなかった。一方で、クローン病の腸管上皮でULBP5の発現が亢進している傾向を認め、特に小胞体ストレスマーカーの発現が強いパネート細胞における発現が強い傾向にあった。この結果は、炎症性腸疾患の新たな治療標的の探索をすすめる上で重要な結果であったと考える。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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