2014 Fiscal Year Annual Research Report
治療期の進行肺がん患者の呼吸困難感をマネジメントする統合的看護介入モデルの開発
Project/Area Number |
26893241
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
庄司 麻美 高知県立大学, 看護学部, 助教 (00737637)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 進行肺がん / 呼吸困難感 / 治療期 / 統合的看護介入モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、キュアとケアを統合して治療期の進行肺がん患者の呼吸困難感をマネジメントする統合的看護介入モデルを開発することである。平成26年度は、治療期の進行肺がん患者の呼吸困難感に対する認知と取り組みを明らかにすることを目標とし、文献検討の実施、インタビューガイドの作成に取り組んだ。 肺がん患者の呼吸困難感について、国内では、薬物療法や呼吸リハビリテーション、鎮静によるマネジメントが報告されているが、多くは終末期の肺がん患者を対象としている。また、看護師の苦悩(宮坂ら,2014)や日常生活援助の判断過程が明らかにされているが、事例研究から看護の在り方や役割を検討している文献が多くみられた。また、進行肺癌患者を対象に調査し、体験や情緒的反応(橋本ら,2011)、対処が明らかにされているが、呼吸困難感の認知や取り組みは明らかにされていない。国外では、呼吸困難感との関連因子として、がんに関連するもの、喘息、COPD、不安や抑うつ、倦怠感や疼痛などが明らかにされ(Dudgeon,2013ほか)、精神的因子が呼吸困難感の認知を増幅させると考えられている(Brueraら, 2002)。がん患者の呼吸困難感のマネジメントについて、ガイドラインや治療アルゴリズムが開発され、エビデンスに基づく看護介入も示されているが、非薬物療法の多くはエビデンスが不十分であり、看護介入の指針については示されていない。 以上のことおよびtotal dyspneaとして捉えることが提唱されていることを踏まえ、全人的な側面から進行肺がん患者の呼吸困難感の認知および取り組みを明らかにするインタビューガイドを作成し、プレテストを実施した。現在は、所属施設の看護研究倫理審査委員会の承認を得て2つの施設に研究依頼を行い、返事待ちである。研究協力が得られ次第、データ収集を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力施設へのアクセスおよび研究協力施設における研究倫理審査のプロセスにおいて時間を要したため、当初の計画よりもやや遅れている。現在、研究協力依頼を行い、研究協力施設における研究倫理審査の受審中である。
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Strategy for Future Research Activity |
治療期の進行肺がん患者の呼吸困難感に対する認知と取り組みを明らかにするために、データ収集と並行しながら分析を進める。そして、治療期の進行肺がん患者の呼吸困難感のマネジメントにおいて、高度な看護実践を行うがん看護専門看護師が、キュアとケアを統合して看護介入が必要な問題・課題および看護介入方法を判断する過程を明らかにするために、データ収集・分析に取り組み、キュアとケアを統合して治療期の進行肺がん患者の呼吸困難感をマネジメントする看護介入モデルの開発を目指す。
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