2015 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞由来破骨細胞分化抑制因子の作用機序と炎症性骨吸収抑制効果の解明
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26893249
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菊池 恵美子 (青松恵美子) 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (50733854)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 破骨細胞 / 炎症性骨吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞(MSC)は免疫抑制作用などの生命維持のために重要な役割を担っている。本年度は申請者が新たに見出したMSC由来ペプチドSCRG1による破骨細胞分化抑制効果や炎症性骨吸収に対する作用メカニズムについて明らかにした。組換えマウスSCRG1(rmSCRG1)を破骨細胞前駆細胞としてのマウスマクロファージ様細胞Raw264.7に作用させ、細胞内シグナル伝達経路や遺伝子発現について検証した。その結果、rmSCRG1はERK1/2のリン酸化を有意に促進したが、その他のMAPキナーゼやPI3K/Akt経路のリン酸化は認められなかった。我々は、SCRG1がMSCのPI3K/Akt経路ならびにERK1/2とJNKを活性化することを明らかにしている。即ち、MSCとマクロファージのSCRG1誘導シグナル経路は異なることが示された。また、mrSCRG1はRaw264.7におけるLPS誘導性ケモカインCCL22の発現を有意に抑制した。CCL22は受容体CCR4を発現する単球やTh細胞を炎症の場に誘引することから、SCRG1は炎症性細胞の集積を抑制することが示唆された。さらにSCRG1 は、Raw264.7のケモカイン受容体CCR7の発現を促進した。CCR7は炎症性細胞の炎症巣からの退出やリンパ組織へのリクルートに必須な因子である。したがって、炎症の収束に伴ってマクロファージが消失するメカニズムにSCRG1が関与する可能性が高い。MSC が分泌するSCRG1は、我々が同定した新規受容体BST-1/integrin複合体を介してPI3K/Akt経路を活性化し、オートクリンにMSCの遊走効果を促進する。このことから、炎症部位に集積したMSCから分泌されたSCRG1は、MSCの遊走促進に寄与するとともに、マクロファージに作用して炎症ならびにそれに引き続く炎症性骨吸収を抑制することが示唆された。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)