2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者の日常生活活動に関連する機能の全体像と各自立度に必要なカットオフ値
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26893250
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Research Institution | Tohoku Fukushi University |
Principal Investigator |
藤田 貴昭 東北福祉大学, 健康科学部, 助教 (50735636)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 日常生活活動 / 脳卒中 / 心身機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
【本研究の目的】脳卒中患者の日常生活活動(ADL)の自立度と心身機能の関連性を明らかにする。またADLと強く関連する機能について自立レベル、監視レベル、軽介助レベルなどADLが各自立度に至るためには、その機能がどの程度必要かという定量的指標(カットオフ値)を算出する。 【今年度の計画】①データ収集、②「できるADL自立度」に関連する要因、およびカットオフ値を算出する。分析は多変量解析およびROC解析を用いる。 【研究の進捗状況】①データ収集を予定通りに遂行し、データベースを作成した。②予定を変更し、「できるADL自立度」の分析に先んじて「しているADL自立度」と心身機能の関連性について分析を行った。分析の結果、軽症脳卒中患者では腹筋力が一部のADL自立度に影響することが明らかとなった。一方、脳卒中の重症度を多変量解析で調整した場合には、麻痺側上肢や体幹機能よりも、麻痺側下肢と非麻痺側筋力がADLに強く影響を与えることを明らかになった。これらの知見は脳卒中患者のADL自立度向上を目的としたリハビリテーションプログラムを検討する際の資料になることが期待される。 【実績】論文1編 1)Fujita T, et al: Contribution of abdominal muscle strength for various activities of daily living in stroke patients with mild paralysis. Journal of Physical Therapy Science. 27(3): 815-818, 2015
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予想以上にデータベースの作成を早期に完了することができたため、早く解析にとりかかることができた。現在、種々の解析を進めることができており、リハビリテーションの臨床場面で判断の材料となるような資料(カットオフ値)を作成中である。これまでに、その一部の研究成果を公表することができ、本研究は概ね順調に進展していると判断できる。 一方、当初予定していたパス解析が、サンプル数の問題により信頼性の高い結果が得られない可能性があることがわかった。その点については、必要に応じて偏相関分析や傾向スコアによる分析を代替手段として用いることで対応が可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は食事、更衣、トイレ動作といった個別のADLの自立度と関連する心身機能を明らかにする。本研究は後方視的研究であるため、多変量解析(回帰分析、偏相関分析)や傾向スコアを用いた手法を用いて交絡を考慮しながら分析を進める。また各ADLについて自立レベル、監視レベルに至るために必要な諸機能のカットオフ値の解析を行う。 また、並行して明らかとなった知見を公表する準備を進める。
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Research Products
(1 results)