2014 Fiscal Year Annual Research Report
緩和ケア病棟において熟達看護師が形成する死にゆく患者との心理的距離
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26893255
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
西田 三十一 聖徳大学, 看護学部, 助教 (10736622)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | ターミナルケア / 緩和ケア / 熟達看護師 / 死にゆく患者 / 心理的距離 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、死にゆく患者に寄り添ったり、避けたりする様を、心理的距離が近い、遠いといった視点から探究し、緩和ケア病棟に勤務する熟達看護師が、患者との心理的距離をどのように形成しているかについて、構成要素の抽出およびその関係性を示すことを目的としている。平成26年度の計画は、緩和ケア病棟に勤務する看護師を対象とした研究報告や著作を探り整理し、研究対象施設や対象者、インタビュー内容について精選し、倫理委員会からの承認を受け研究対象施設へ研究協力の依頼をすることであった。 本年度は、まず、緩和ケア病棟に勤務する看護師に関する先行研究などを探り整理した。医学中央誌を用いて、キーワードを「緩和ケア病棟」、「看護師」として検索し抽出された論文は203件あり、そのうち論文としての形式をとっている原著論文17件および緩和ケアに関する文献について整理した。緩和ケア病棟で看護師が体験する困難や死生観形成過程、看護師の支援のあり方などについての質的研究が多くなされていた。緩和ケア病棟は、特に、看護師自身が死にゆく患者と向き合う表出的役割があるが、患者の現状を受け入れられない自己を責めていたり、多様で複雑な苦しみをもつ患者や家族をケアする看護師の困難は計り知れないとも述べられていた。 多くの葛藤や苦悩を経験しながらも、ターミナルケアに関する専門的な能力が求められる緩和ケア病棟における熟達看護師とは何かについて整理し、対象者の条件、インタビュー内容を精選し、インタビューガイドを作成した。 さらに、研究者の所属する大学の倫理審査委員会の承認を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は、①文献検討、②倫理委員会からの承認、③研究対象施設への研究協力依頼を実施する予定であった。①、②に関して、研究対象者の条件やインタビューガイドの作成など具体的に内容を精選し、倫理審査委員会の承認を得ている。しかし、③に関しては、研究者の次年度の休職にともない実施することができず、研究の達成度としてはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策 今後は、研究対象施設への研究協力依頼を実施し、研究協力の承諾が得られた緩和ケア病棟に勤務する熟達看護師にインタビューを行う。語られたデータを分析し、まとめる予定である。
次年度の研究費の使用計画 研究協力依頼に要する文具、印刷、郵送費、研究対象者への謝礼、データ収集に要する交通費、逐語録作成の研究補助者への謝金などに使用する予定である。また、研究をまとめるために、関連学会へ参加し知見収集を行い、文献および書籍を購入する予定である。
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