2014 Fiscal Year Annual Research Report
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26893262
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
平山 雅敏 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90528473)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 涙腺 / ドライアイ / 転写因子 / 幹細胞 / 分化誘導 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
涙腺は眼表面に涙液を分泌し、眼表面を保護することで視機能を維持する。現状の涙腺機能不全に対する治療は、人工涙液による対症療法であり、失明の危機にある重症瘢痕性角結膜疾患において重度に障害された涙腺機能の再建のために、涙腺再生医療の実現が求められている。 現在の涙腺機能不全にたいする涙腺再生研究において、細胞移入療法による障害涙腺組織の部分的修復を目指して、涙腺組織幹細胞の探索が進められている。サイトカインを用いた涙腺障害モデルでは、障害後の部分的再生の可能性が示され、腺房周囲の筋上皮細胞の組織修復への関与が示されたものの、いまだ詳細は明らかとなっていない。さらに、涙腺特異的な発生過程分化マーカーは明らかではなく、従来の誘導方法では涙腺腺房細胞の誘導は困難である。また、涙腺は発生時における上皮間葉相互作用により涙腺原基が形成され、周囲組織と連携した立体的な腺構造へと分化するため、分化した涙腺腺房細胞を得たとしても、成熟細胞の移入療法により立体的な腺構造が再生するかは明らかではない。 そこで、本研究では、本年度、涙腺分化に決定的な転写因子を明らかとするために、器官形成能をもつ胎生期の涙腺原基細胞に着目し、マウス涙腺原基上皮における特異的な遺伝子を解析した。 マウスの胎生期涙腺とハーダー腺などの類似器官と比較し、網羅的に遺伝子を解析したところ、涙腺原基上皮に特異的に発現する遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初計画の達成目標通り、順調に標的細胞に特異的な遺伝子発現を解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、計画通りに、本年度の結果を基盤に転写因子を幹細胞に導入し、目的細胞の分化決定的な転写因子を同定する。 転写因子の選別に当たっては、Web database toolなどを用いたシステム医学的アプローチで効率的に進めていく予定である。
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Research Products
(2 results)