2014 Fiscal Year Annual Research Report
複数の遺伝性パーキンソン病iPS細胞由来神経細胞におけるオートファジー異常の解明
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26893263
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石川 景一 順天堂大学, 医学部, 助教 (90733973)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / iPS細胞 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
樹立したPARK9患者由来iPS細胞を用いて、神経細胞に分化させ、ウエスタンブロットを中心に、疾患iPS細胞由来神経細胞のオートファジー機能をオートファジー阻害剤等を用いながら検討を行った。同手法により疾患iPS細胞由来神経細胞においてもオートファジータンパク質等の評価が可能であることを確認したが、オートファゴソームマーカーであるLC3-IIをはじめとする蛋白発現量に、疾患ラインと正常対照ラインでの明らかな差は認められなかった。 そこで、パーキンソン病はドパミン神経障害を特徴とすることから、計画通りに進まないときの対応として予定していた通り、iPS細胞をドパミン神経に分化させて検討を行うこととした。iPS細胞からドパミン神経細胞への誘導効率は、報告されている方法では非常に低いことから、小分子化合物の投与を検討することにより、ドパミン神経細胞の誘導効率を改善することに成功した。さらに、ドパミン神経細胞に誘導後の表現型が現れる期間を検討することにより、疾患iPS細胞をドパミン神経細胞に誘導後に異常が現れ始める期間を現在見いだしつつある。26年度の上記検討をもとに、27年度ではドパミン神経細胞に誘導した神経細胞にて、適切な分化時期にどのような異常が起こるかを検出する予定である。 同時に、GFPで標識したオートファゴソームマーカーLC3を発現するレンチウイルスベクターの作製も行った。分化させた神経細胞での発現を確認しており、今後適切なMOIを決定し、免疫組織学的あるいはライブイメージングも用いたオートファジー解析も追加する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
iPS細胞由来神経細胞におけるウエスタンブロット等を用いたオートファジーの評価方法については施行できておりほぼ予定通り確立できている。 引き続きゲノム編集後のiPS細胞や、他の疾患ラインを用いた比較を27年度に行う。
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Strategy for Future Research Activity |
PARK9患者由来iPS細胞を用いて、ドパミン神経特異的に分化させたオートファジーの機能評価を引き続き行う。さらに27年度に予定していた通り、他の遺伝性パーキンソン病由来iPS細胞を同様にドパミン神経細胞に誘導し、オートファジーさらには神経細胞脆弱性に付いての検討を加える。
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[Presentation] 抗結核薬エタンブトールのオートファジー阻害作用2014
Author(s)
山田大介, 斉木臣二, 古屋徳彦, 石川景一, 今道洋子, 神戸大朋, 藤村 務, 上野隆, 小池正人, 服部信孝
Organizer
第8回オートファジー研究会・第2回新学術「オートファジー」班会議
Place of Presentation
シャトレーゼ ガトーキングダムサッポロ
Year and Date
2014-11-10 – 2014-11-11