2015 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト急性心筋梗塞組織における網羅的マイクロRNA解析
Project/Area Number |
26893278
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
垣本 由布 東海大学, 医学部, 助教 (40734166)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロRNA / 心房 / 心室 / ミオシン重鎖 / miR-208 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト心臓組織おけるマイクロRNA(miRNA)発現を、次世代シーケンサーを用いて網羅的に定量解析した。 心疾患のない4剖検例で、左心房(LA)と左心室(LV)の凍結組織からsmall RNAを抽出し、IonTorrentPGMsystemでシーケンスしたところ、各ライブラリで平均250万リードを検出し、その90%がヒトゲノム、35%がmiRNAデータベースと一致した。総リード数で各ライブラリを標準化した後、LAとLVで各miRNAの発現を比較した。主成分分析では、LA群とLV群が分離され、心房と心室は異なるmiRNAプロファイリングを有すること示された。同定された1134種のmiRNAのうち、14miRNAが心房で、11miRNAが心室で特異的に発現していた。サンプル数を9名分に増やしてリアルタイムPCRを行ったところ、miR-208aとmiR-204が心房で、miR-208bとmiR-378aが心室で優位に発現していることが確認された。 miR-208aはαミオシン重鎖(α-MHC)、miR-208bは(β-MHC)のイントロンにそれぞれ存在する。α-MHCは心房に、β-MHCは心室に多いことが知られており、本研究で示されたmiRNA-208の心臓内局在は、ホストgeneの発現分布と一致する。また、miR-208aの発現変動が上室性不整脈を起こすこと、梗塞心室筋ではmiR-208bの発現量が増加することが知られており、心臓におけるmiR-208の局在は、房室特異的な機能に関与していると考えられる。さらに、心房特異性が確認されたmiR-208aやmiR-204は、慢性心不全時には心室筋で増加することも報告されており、房室間でのmiRNA発現バランスが心不全病態に寄与している可能性が高い。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)