2014 Fiscal Year Annual Research Report
患者の情報利用と意思決定支援に関するe-learning教材の開発と評価
Project/Area Number |
26893279
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
瀬戸山 陽子 東京医科大学, 医学部, 講師 (20649446)
|
Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
|
Keywords | e-learning / 看護師 / 意思決定支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護職が対象である患者の意思決定支援について、その必要性や国内外での意思決定支援の実践例、そのためのツールを理解し、意思決定支援を実践するために役立つe-learningコンテンツを開発し評価することを目的とした研究である。 まず文献レビューを行い、既存の看護職向けe-learning教材に関するメリットやデメリット、課題、さらに、備えておく必要がある機能等を洗い出した。e-learningのメリットとしては、「学習効果が上がる」ことや、「学習の自由度が増す」ことが認知されていた。逆にデメリットとしては、インターネット環境が整っていない場で学べないこと、PCを使うことの不便さなど「Web活用におけるハード面での不安」や、質問ができないことなど、一方向であることの不安が示された。以上から、今回のe-learningコンテンツでは、PCだけでなく、スマートフォンなどのタブレットでも学習が可能であること、また、質問を受け付けられるようなインタラクティブな機能を備えることとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画段階では、e-learningの改善点等をヒアリングした後、改善を行い、さらに本番用のコンテンツをアップロードして、600名程度の看護師を対象に、評価のための調査を行う予定としていた。調査項目は、属性特性に加えて、①内容が分かりやすかったか(understandability)、②内容が受け入れやすかったか(acceptability)、③使い勝手が良かったか(usability)等を中心に尋ねる予定であった。 しかしながら、現状では進捗がやや遅れてしまっている状態である。遅れている理由としては、本e-learningコンテンツ作成に用いたXerteシステムに研究者自身が不慣れであったことから、コンテンツ構築自体に予定よりも大幅に時間を要してしまったことである。これに関しては時間を費やしてシステムになれることを行ったため、今後の修正や新たなコンテンツの構築に関してはスムーズに運ぶものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒアリングをもとに改善したe-learningコンテンツを限定公開し、評価研究への参加者のリクルートを行う予定にしている。当初、病院の看護部を通じて行う予定にしていた量的な評価研究のリクルートに関しては、病院看護部等を通じて行うと看護部の負担が増え協力者が減少する可能性があるため、ソーシャルネットワーキングサービスや知り合いのメーリングリスト等で、意思決定支援にかかわっている看護師に個別に呼びかけを行うように方法を変更する予定である。この場合、母集団が分からないことや、意欲がある人のみが回答するというバイアスがかかる可能性がある。しかし、今回のe-learningコンテンツに関しては、今後繰り返し改善を重ねることで使いやすくするものと捉えている。そのため、研究における頑健さを問うよりも、多様な集団からe-learningコンテンツを改善するための多様な意見を集めることを優先することが必要であると考える。
|