2014 Fiscal Year Annual Research Report
災害により長期の避難生活を余儀なくされる看護支援モデルの構築
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26893281
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
齋藤 正子 東京家政大学, 看護学部, 講師 (30738232)
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Project Period (FY) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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Keywords | 長期避難者 / 在宅療養者 / 訪問看護師 / 訪問看護ステーション / 看護支援者モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は平成26~27年度の2年間計画で「災害により長期の避難生活を余儀なくされる看護支援モデルの構築」に取り組んでいる。 目的は在宅サービスを受けている療養者と介護者、および彼らをケアする訪問看護師を対象とした調査により、以下の3点とした。①在宅療養を行いながら避難生活を送る療養者と介護者のニーズを明確にする。②訪問看護師による被災地内で通常のサービスを受けている療養者と、震災後住み慣れた自宅から避難された療養者への関わりの違いを明らかにする。③1と2の結果より、災害時の在宅療養者に対する看護支援モデルを構築する。 研究方法は、質的研究である。手順は、研究対象者へインタビュー調査を行い、データを収集する。分析は、インタビュー調査で得られたデータの帰納法的研究法、グランデッドセオリーを用いて行い、被災者のニーズに対応した災害時の看護支援モデルを検討する。また、研究協力者からスーパ-バイズを得ながら災害時の看護支援モデルを構築する。最終的に、構築したモデルを研究対象者の訪問看護師にフィードバックし、現場に即した内容であるかの意見を頂き、モデルの臨床における実現可能性を検討すること研究の主旨としている。 平成26年度は一年目として文献検討を行い、研究方法の検討を行った。また、当大学の倫理審査委員会の承認を受けた。同時に、被災地における復興の状況の視察を行い、研究対象者が存在するかどうか、また、研究協力の可能性についての相談を行うために被災地の訪問看護ステーション等に2回訪問した。この訪問により、本研究のインタビュー調査を実施するための情報収集となり、被災地の訪問看護ステーション等との関係性づくりに着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度より2年間で、「災害により長期の避難生活を余儀なくされる看護支援モデルの構築」を行う予定である。 一年目にあたる平成26年度は、概ね予定通り進展している。その理由は、文献検討と研究方法の検討を行い、当大学の倫理審査委員会による承認を得ることができた。また、被災地を訪問し、復興の現状調査、情報収集、研究対象者の研究協力の可能性を検討した。そこで訪問した訪問看護ステーションの看護師からの情報によると本研究の対象者となる、震災による避難のためにADLが低下している被災地の療養者、その療養者を支援した看護師が存在していることが分かった。その対象者から研究協力の内諾を得ることができた。 このことから本調査に入る前の研究対象者との関係性づくりに着手できたと考えている。2年間の研究の主幹となる平成27年度の半構成的面接による調査に向けて、方向性が示唆された。 以上のことから、概ね十分な達成段階にあると考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は二年目として、一年目で訪問した震災による避難のためにADLが低下している被災地の療養者、その療養者を支援した看護師を対象者へパイロットスタディとしてインタビュー調査を2件実施する。(1件は、療養者1名・介護者1名・訪問看護師1名とする。)その結果からインタビューガイドの追加修正を行う。 本調査として、研究対象者へのインタビュー調査8件を実施し、データ収集する。合計10件を予定している。インタビュー調査にあっては、研究協力者と二人で行う予定である。インタビュー調査で得られたデータは、グランデッドセオリーを用いた分析を行い、被災者のニーズに対応した災害時の看護支援モデルを検討する。また、研究協力者からスーパ-バイズを得ながら災害時の看護支援モデルを構築する。最終的には、構築したモデルを調査対象者の訪問看護師にフィードバックを行い、現場に即したものであるかの意見を頂き、モデルの臨床における実現可能性を検討する。 平成28年度には、研究成果を学会発表、論文投稿することを計画している。これらのことから研究を推進していく予定である。
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